人吉駅 観光列車が主役となったアニメ聖地

かつての交通の要所人吉駅は、現在も肥薩線(川線、山線)湯前線の発着駅です。

鉄道で訪れる方の玄関口であることは変わっていません。

そしてアニメ聖地でもあります。

アニメの聖地

人吉駅自体や駅からの景色が、1期第9話「あやかし祓い」や2期第9話「不死の想い」など、複数回登場しています。

構内の観光案内所には、夏目友人帳の舞台探訪マップなども置かれていて、ファンの間では基幹スポットとなっています。

©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会

©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会

こちらはアダルトゲームになるのですが、Loseの「まいてつ」というPCゲームがあります。

こちらの舞台も人吉駅周辺となっております。

ただし、「まいてつ」のほうは、アダルトゲームということもあり、大々的に告知はされておらず、ひそかな聖地となっています。

© Lose

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沿革

1908年(明治41年)八代〜人吉間開通に伴い人吉駅開設

1911年(明治44年)人吉~吉松間開通

1924年(大正13年)湯前線開業

1927年(昭和2年)鹿児島本線海岸ルート開通、肥薩線となる

1977年(昭和52年)現駅舎完成

1987年(昭和62年)民営化、JR九州が継承

1989年(平成元年)湯前線がくま川鉄道に転換

2009年(平成21年)くま川鉄道の駅が人吉温泉駅へ改称

人吉駅が活況を呈したのは、1960年代までです。

陸の孤島とまでいわれた球磨盆地が、頼る唯一の近代的交通手段が鉄道でした。

人吉機関区には蒸気機関車、人吉気動車区には多数の気動車が所属していました。

道路の整備が進みに従い、貨物輸送はトラックに代替されます。

旅客輸送に関しては、熊本~鹿児島間は鹿児島本線が主役で、肥薩線の出番はありません。

福岡〜宮崎間に直通列車があり、利用者も多かったのですが、高速バスと激しく競合するようになります。

九州自動車道が全線開通した後は、自動車に旅客輸送の主役を譲りました。

最近のJR九州が発表した区間別輸送密度では、肥薩線の人吉~吉松間が管内で最も輸送密度の低い路線となっています。

肥薩線

肥薩線はその特徴により、大きく3つの区間に分かれます。

起点の八代駅~人吉駅までは球磨川沿いを走るため「川線」とよばれます。

人吉駅~吉松駅までは、熊本県と宮崎県の矢岳越えとよばれる県境区間です。

高低差があり、山地を抜けるため「山線」とよばれます。

吉松駅~隼人駅までは山間部と農村部を通る区間で、肥薩線の中では最も利用客の多い区間となります。

肥薩線は1本の路線となりますが、人の往き来は3区間それぞれの範囲内での移動が多くを占めます。

そのため、ほとんどの便は川線と山線の変わり目となる人吉駅を起点に発着することになっています。

現在、全線を直通する列車は定期運行されていません。

近代化産業遺産

2007年(平成19年)経済産業省が選定した近代化産業遺産のうち、南九州近代化産業遺産に、人吉駅構内の施設が含まれています。

石造りの機関庫

1911年(明治44年)に建てられた石積みの機関庫です。

現在も現役で使われています。

大型石造建造物は、石工専門集団のいた熊本ならではのものといわれています。

石造りの機関庫が現存しているのは人吉駅だけとなっています。

1番ホームの古レール

1番ホームの西側の屋根の支柱に古レールが使われています。

刻印には「UNION・D・1989 NTK」とあり、1989年(明治22年)ドイツのユニオンドルトムント社によって製造されたものということがわかります。

転車台

近代化産業遺産には含まれませんが、現役の鉄道転車台は珍しいと思うので補記します。

車輛の方向転換や、他線転換のために線路の一部を回転できるようにした設備です。

蒸気機関車の時代の遺構でしたが、2009年(平成21年)SL人吉の復活とともに現役復帰しています。

観光列車

通常の旅客輸送に関しては奮わない人吉駅ですが、観光列車に限ればそこそこ活況のようです。

開業当初の姿を残す木造駅舎や、球磨川沿いの川線、ループ線やスイッチバック。「日本三大車窓」を抱える山線など、みどころがあり、ユーザーも観光ルートとして捉えているようです。

特急「かわせみ やませみ」

2017年(平成29年)新設の列車です。

熊本~人吉間を1日3往復します。

名称は野鳥のかわせみとやませみです。

人の行き来が困難だった八代〜人吉間を自由に旅していたであろうことから名づけられています。

特急「いさぶろう しんぺい」

2004年(平成16年)九州新幹線部分開業時に運行開始した列車です。

熊本~吉松間を1日1往復しています。

人吉~吉松間は普通列車となります。

「いさぶろう」というのは、人吉駅〜吉松駅間が建設された当時の逓信大臣山縣伊三郎からとったものです。

「しんぺい」というのは、 人吉駅〜吉松駅間の開業当時の鉄道院総裁であった後藤新平からとったものです。

矢岳第一トンネルの矢岳方入口に「いさぶろう」の「天険若夷」、吉松方に「しんぺい」の「引重致遠」の扁額が残ることにちなんだものです。

「SL人吉」

熊本~人吉間を運航する1日1往復する臨時快速列車です。

その名の通り、蒸気機関車「58654」がけん引します。

土日祝や夏休み、春休み期間を中心に、年間150日程度の定期運行をしています。

「ななつ星in九州」

いわずと知れたJR九州のクルーズトレイン 周遊型臨時寝台列車 です。

2013年(平成25年)運行を開始しています。

現在のところ、3泊4日コースは肥薩線が正式ルートになっています。

金曜日の午前中に人吉駅に停車しているようです。

※ 「ななつ星in九州」 は他路線の災害状況により、コース変更が行われるため暫定措置なのかもしれません。

歴史から見ると、さまざまな特急や急行が停車した駅です。

人吉駅近くのスポット

人吉市の中核であった人吉駅です。

近隣には観光スポットもおおいのですが、駅からごく近いスポットだけ合わせて記事にしておきます。

次の列車の待ち時間などにすぐ行ける場所です。

からくり時計

人吉駅前の広場にある時計のことです。

人吉城をイメージしたお城の形をしています。

毎時ちょうどに3分ほど作動します。

正式名称 人吉駅前からくり時計
場所 〒868-0008 熊本県人吉市中青井町 326番地1  人吉駅前
作動時刻    3月~10月  9時~18時の毎時
11月~2月  9時~17時の毎時
作動時間    3分10秒

MOZOCAステーション868

肥薩線の歴史と魅力を展示するミュージアムです。

「もぞか」というのは九州地方の方言で、「かわいい」というような意味です。

868というのは人吉市の郵便番号にちなんだものと思います。

子供向けの乗り物や遊具が多いですが、鉄道や肥薩線に興味のある方にとっては、貴重な展示もあります。

正式名称 人吉鉄道ミュージアム「MOZOCAステーション868」
場所 〒868-0008 熊本県人吉市中青井町343-14 人吉駅の西側に見えています
電話番号 0966-48-4200
定休日 毎週水曜日(水曜が祝日の場合は翌日)年末年始(12月30日~1月2日まで)
開館時間 9:00~17:00
入館料 無料 乗り物は有料です
駐車場 有料 普通車87台

大村横穴古墳群

人吉駅裏の裏手は崖になっています。

この崖に掘られた穴は古墳です。

6〜7世紀初めの古墳時代後期に造られたものと推測されています。

早くに学界から注目され、1921年(大正10年)には国の史跡に指定されています。

周囲は公園として整備されています。

駅のホームからでも見ることができます。

正式名称 大村横穴古墳群
場所 〒868-0016 熊本県人吉市城本町

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