ままこ滝というのは、宮崎県小林市にある滝で、正式には須木の滝といいます。

本庄川が綾南ダムによってできた人造湖・小野湖にそそぐ滝です。
小野湖

綾南ダムは、1958年(昭和33年)に完成した多目的ダムです。

ダム湖の底には、かつて小野集落があり、ダム湖は小野湖と命名されました。

ままこ滝は、小野集落の西にあった高さ40mの大滝でした。

現在は、小野湖の出現で、20mほど高さになっています。

ままこ滝の伝説
ままこ滝には、悲しい伝説があります。

昔、須木村に住んでいた若いきこりの夫婦が、1人のかわいい女の子と幸せに暮らしていました。
しかし、妻が病にたおれ帰らぬ人となったことで事態は一変します。

男1人で幼い娘を育てるのは難しく、男は後妻を迎え入れます。
ところが、この継母は娘がジャマでしかたありません。

ある日、継母と娘は滝の上の岩から滝を見下ろしていました。
いつになく優しい継母に娘は喜び、自分の帯と継母の帯をしっかり結びました。

すると突然、継母は娘を渾身の力で、滝つぼへと突き落とします。
いたいけな幼い子供と、その子を憎む継母、2人が滝つぼへ落ちていきました。
以来、この滝をままこ滝とよぶようになりました。

本当の伝説
現在伝わる「ままこ滝の伝説」は、本当の歴史を上書きすべく広められた、つくり話という説があります。

実は、ままこ滝のすぐ下流には、処刑場と拷問場、そしてそこで亡くなった者の首塚があったと伝わります。

事実を知るのは、今はなき小野集落の元の住民だけになっているといいます。

戦国時代は時世が時世なだけに、処刑は庶民にも公開されていました。

ままこの滝の上から突き落とすと、罪人や敵兵は断崖に打ち付けられていたといいます。

水没前の、処刑場と拷問場の跡と首塚は、霊が出るといううわさがありました。

ダムの完成により、すべて小野湖に沈んでいます。
心霊スポット

実は、ままこ滝周辺では現在も怪現象が続いているといわれています。
- 滝の上の岩にたたずむ人影をみた
- 無数の人影が小野湖から這い上がっていた
小野湖にかかる、すきむらんど大つり橋では、飛び降りる人が見えるという情報もあります。

過去に、通報により大捜索が行われましたが、遺体も遺留品も見つからなかったといいます。

まとめ

ままこ滝展望所の対岸は、「すきむらんど」という観光施設です。

昼間訪れる分には、とても壮大で美しい場所です。

あくまで、この記事は過去の伝承のよるものです。

現在のすきむらんどでは、綾南ダム建設以降の新しい歴史がはじまっています。
場所 宮崎県小林市須木下田
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