家一郷山(かいちごうやま)というのは、宮崎県日南市にある山です。

営林集落が広がっていたのは、宮崎市との市境付近でした。
鏡州小学校家一郷分校

家一郷山 (434m)周辺は国有林です。

1939年(昭和 14年)ごろから、燃料として自然林を伐採し針葉樹を植えるために、営林署の事務所が置かれました。

事務所周辺には、営林集落が形成され、1953年(昭和28年)には分校もできました。

宮崎市立鏡州(かがみず)小学校家一郷分校といいます。

当時30名ほどの生徒がいました。

事務所あたりには、営林署の自家発電で電気が引かれていました。

それでも、半数の家には電気がなかったといいます。

伐採と植林事業が終了すると、営林署の事務所はなくなります。

1964年(昭和39年)には、家一郷分校も本校へ統合しています。

家一郷分校跡は、椿山キャンプ場の駐車場になっています。

宮崎営林署家一郷事業所跡

営林署一帯の営林集落跡は、のちに椿山キャンプ場となっています。

現在もキャンプ設備は残っていますが、残念なことに工事中で立入禁止になっていました。

昔ここには営林署関係者、約25家族(約80人)が住んでいました。

キャンプ場としてはかなり高規格だったのですが、実は2005年(平成17年)に閉鎖されています。

最近は、フリースクール「自然楽校未来船」の花切山入り口教室として使われています。

営林署跡の石柱を見たかったのですが、今後は施設利用者以外は気軽に入らないほうがよいでしょう。

家一郷山の集落

2000年(平成12年)ごろ、2ch に「かなりヤバイ集落をみつけた」とするスレが立ちます。

スレ主は、宮崎市からサイクリングで、家一郷山深くに入り込みます。

そこで、偶然に不思議な集落をみつけます。

晴れ着が散乱していたり、卒塔婆がたくさん立つ場所があったり、誰かに見張られているような気がしたりと、不思議な体験をします。

そのミステリーを解き明かすため、何回か再訪しています。

なかなかスリリングな展開で、スレの住人は引き込まれてしまいました。

深夜に山奥の集落へ向かうなど、不自然な点もありますが、道中の描写が詳細なためリアリティもありました。
知る人ぞ知る伝説のスレッドとなり、20 年経過した現在もまとめサイトを賑わせています。

確かに営林署跡からは、トロッコ軌道が山深くまで続いていました。

現在は通行止めとなっていますが、トロッコ軌道跡は車道として使われていたこともあります。

もっと山深くまで、自転車で行くこともできました。

そして家一郷地区には、営林集落ができる以前から、加江田渓谷沿いに人が住んでいたのは事実です。

しかし、ヤバイ集落の話は20年も前です。

実話だとしても、ヤバイ集落の住民はすでに80歳を超え、山道を歩くのは難しいはずです。

その間に検証する記事がなく、実話なのかネタなのかがあいまいなままになっています。

それがまた、ミステリー性を高める要素になっています。

東九州自動車道

家一郷山への道中、東九州自動車道の工事をしていました。

東九州自動車道は、まさに椿山を縦貫するルートになっていますが、そのほとんどはトンネルです。

谷の部分を通る橋で、その一部を地上からみることができます。

山深い家一郷山のふもとまで、現代文明が及んでいることがわかります。

あと、清武南IC から志布志ICまでが開通すると、北九州市から鹿児島市まで、東周りの自動車道が全通します。

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