平和台公園は、宮崎市にある都市公園です。
平和の塔をランドマークとし、はにわ園や運動広場を園内に持つ一大施設です。
平和の塔
平和の塔は、世界各地の切石 1789個を含む、石造塔です。
1940年(昭和 15年)に完成しています。
もともとは、八紘之基柱(あめつちのもとはしら)または八紘一宇(はっこういちう)の塔といっていました。
八紘一宇というのは、全世界を統一するという意味です。
八紘一宇という名称が、戦後GHQ(連合国最高司令官総司令部)に問題視されたため、平和の塔と改められています。
都市公園として整備される中で、1965年(昭和37年)に、八紘一宇の文字が復元されています。
高さ36.4メートルの平和の塔は、宮崎県の代表的な観光地となっています。
神道との関係
平和の塔は、紀元2600年奉祝事業として建設されたものです。
塔は御幣を表しています。
御幣(ごへい)というのは、神道の祭事で奉納される幣物の一種です。
八紘一宇という言葉も、日本書紀から引用したものです。
四方には、四魂像が配されます。
| 奇御魂(くしみたま) | 漁人 |
| 荒御魂(あらみたま) | 武人 |
| 和御魂(にぎみたま) | 商工人 |
| 幸御魂(さちみたま) | 農耕人 |
荒御魂(あらみたま)は武人の神さまであるため、これまたGHQ が問題視しました。
そのため、1946年(昭和21年)に撤去されています。
再建されたのは、1962年(昭和37年)のことでした。
塔の内部
平和の塔の内部には、石膏製のレリーフがあるのですが、石膏は劣化しやすい素材といわれます。
そのため、塔の内部が一般公開されるのは、1年に1日だけです。
レリーフは、紀元2600年(1940年(昭和15年))に描かれたものです。
「天孫降臨「波限の産屋」「神武天皇即位」など、日本神話をテーマにしています。
青銅製の扉には、神武天皇の東征が描かれています。
レリーフ制作は、日本サッカー協会(JFA)の、シンボルマーク「八咫烏(やたがらす)」をデザインした日名子実ニ氏が担当しています。
東京オリンピックの聖火
平和の塔は、実は1960年（昭和35年)前後には、ロッククライミングの練習に使われるなど、重要視されなくなっていました。
1964年(昭和39年)の東京オリンピックで、平和の塔が火リレーの第2スタート地点となります。
これを機に、世界平和を願うオリンピックの精神は、八紘一宇と同意という認識が広まりました。
以降、平和のシンボルとして県民に親しまれるようになっています。
はにわ園とはにわ館
はにわ園は、400体ものはにわのレプリカを配置した公園です。
実は、はにわは全国各地でみつかっています。
ハネムーンブームのころ、宮崎には大勢の観光客が訪れていました。
はにわ＝宮崎のイメージを定着させたのは、はにわ園の功績です。
散策路と運動広場
平和の塔一帯は、平和台公園として整備されています。
その広さは、総面積9,900m(3,000坪)に及びます。
園内には、運動広場や散策路が整備され、宮崎県民のレクリエーション施設となっています。
心霊スポット
平和台公園は、昼間は観光地であり、県民のいこいの場です。
ところが夜になると一変し、心霊現象がおこると、まことしやかにささやかれています。
- 平和の塔は、大戦での戦死者の慰霊塔であるため、成仏できない霊がさまよう。
- 終戦時に集団自殺があった場所であり、深夜になると「はにわ」が動き出したり、目が光ったりする。
- 公園内の新池には、入水自殺した女性の霊がさまよう。
調べてみると、平和の塔を建設した当初の目的は、慰霊塔ではありません。
集団自殺や入水自殺についても真偽は定かではありません。
なにせ、真珠湾攻撃(1941 年(昭和 16年))以前に竣工した塔です。
その長い歴史の中で、真実とは違う伝承も広まっています。
門限
第1駐車場は、午後10時に閉門です。
第2駐車場にいたっては午後5時、第3駐車場は午後8時に門が締まります。
基本的に、深夜に行くことを想定していない公園です。
徒歩なら入れますが、夜になると警備員が巡回しているという情報もあります。
検証するなら、午後10時が門限と考えた方がいいでしょう。
いずれにしても、心霊現象というのは確実に体験できるものではありません。
当然リスクもあるので、深夜に訪れるのはおススメしません。
まとめ
平和台公園はミステリーな情報もありますが、昼間訪れる分には素敵な観光地です。
特に平和の塔の壮大なスケールは、一見の価値があります。
第1駐車場に車を止めれば、そう歩く必要もありません。
予備知識を踏まえて見学すれば、より一層楽しめること請け合いです。
場所 宮崎県宮崎市下北方町
関連記事
【関連記事】宮崎神宮 宮崎市民おなじみのスポット・愛称は神武さま
【関連記事】久峯隧道 コツコツトンネルの異名で全国に知れ渡る心霊スポット