岡原霧島神社のあるあたりは、平成の大合併であさぎり町となる前「岡原村」というところでした。
岡原村は明治時代に岡本村と宮原村が合併してできた村になります。
村内神社の合祀
現在の岡原霧島神社は、1910年(明治43年)岡本村と宮原村の各地にあった神社を合祀のうえ遷座し、岡原霧島神社と改称されたものです。
合祀された神社は以下の通りです。
1.中嶋大権現(中嶋霧島神社)
鎮座地:宮原村
806年創建と記録されていますが、地元ではさらに遡るといい伝えられています。
霧島神宮系の神様を祀っていました。
2.切畑大明神(切畑神社)
鎮座地:宮原村
大同年間(806年〜810年)創建とされ、1165年再興されています。
阿蘇神社系の神様を祀っていました。
3.稲積妙見(稲積神社)
鎮座地:宮原村
創建年代は不詳です。
球磨郡で最初に妙見さん(八代神社)を歓請した神社でした。
八代神社系の神様を祀っていました。
4.大炊神権現(大炊霧島神社)
鎮座地:岡本村
ご祭神は霧島神宮系で、宮原村の中嶋霧島神社と同じでした。
2村合併の象徴
1889年(明治22年)町村制施行を機に、岡本村と宮原村が合併し岡原村となりました。
岡原となったのは、両村から1文字ずつ取ったためです。
岡原霧島神社の案内板を見ると、大炊霧島神社が岡本村の村社だったそうです。
一方、中嶋霧島神社が宮原村の村社だったと書いてあります。
両社が同一祭神であったことから、合祀の気運が高まりました。
当時の村長の尽力もあって合祀が決定したとあります。
しかし、遷座予定地の開地は困難を極め、氏子の方々の3年に及ぶ貴重な奉仕の末、1910年(明治43年)遷座が完了したそうです。
参道にかかる橋は幸野溝を渡るための橋です。
まとめ
1955年(昭和39年)に拝殿は改築されていますが、本殿は遷座当時のものと思われます。
岡原霧島神社は、建造物自体に永年の歴史は感じませんが、平安時代から続く神社です。
村内4社を合祀したため、23柱の神様がお揃いになっています。
これだけご祭神の多い神社も珍しいのではないでしょうか。
1社の参拝で多くのご利益がありそうです。
なお、主祭神は瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)となっています。