大久保阿弥陀堂は、熊本県球磨郡多良木町黒肥地にある、阿弥陀三尊を安置するお堂です。
獺野原(うそのばる)阿弥陀堂ともよばれているようです。
紀元前からの集落
多良木町の東側の台地を、大久保地区といいます。
今でこそ過疎の農村ですが、遺構などから旧石器時代より人が住んでいたことがわかっています。
また、縄文時代から弥生時代にかけての土器が出土しています。
畑の土の中には、土器のかけらが混じっていることがよくあります。
遺跡の調査から、このあたりには大きな村があったのではないかと推測されています。
獺野原の戦い(うそのばるのたたかい)
時代は飛んで、1559年に球磨郡を二分する大きな戦いがありました。
獺野原の戦い(うそのばるのたたかい)といい、戦国時代における当地最大の合戦といわれています。
もともとは、家臣同士の争いに端を発し、相良家の同族どうしで争うように仕向けられたものです。
この獺野原が、人吉衆と多良木衆の決戦場となり、両軍合わせ250名近くの戦死者を出しました。
大久保阿弥陀堂は1572年に、その13回忌に合わせ、建てられたものです。
安置される阿弥陀三尊は、室町時代の作品といわれています。
多良木町指定文化財
三像は、1979年(昭和54年)に多良木町の指定文化財となっています。