東光寺薬師如来堂 廃寺後も地名として残る寺院

東光寺というのは、本来は仏教寺院を指します。

全国に同名の寺院があります。

しかし、現在、球磨郡で東光寺といえば、お寺ではなく、地名を指すことになります。

東光寺地区

球磨郡で東光寺といえば、熊本県球磨郡多良木町大字黒肥地のなかの一地区を意味します。

1243年の相良家文書では、このあたりは東光寺村として表されています。

地名の由来は、もちろん、その昔この地区に「東光寺」というお寺があったからです。

全国的に東光寺といえば、薬師如来をご本尊とするお寺が多く存在します。

黒肥地の東光寺も、例にもれず薬師如来をご本尊としていました。

寺院名がそのまま地名となったのも珍しくありません。

全国に「東光寺」という地名が存在しています。

東光寺薬師如来堂

多良木の寺院、東光寺は現在は廃寺となり、薬師如来堂だけが残っています。

五輪塔や石塔から、その昔ここがお寺であったことをみてとれます。

ご本尊の薬師如来座像は、平安時代の終わりごろの作品といわれています。

1581年に、相良義陽(よしひ)により、補修がなされていることが、銘文からわかっています。

脇侍の日光菩薩立像と月光菩薩立像は、鎌倉時代末期と推定されています。

薬師如来座像と脇侍立像2体は、1964年(昭和39年)に、多良木町の文化財として指定されています。

境内

門柱が正門の位置を示しています。

正面から見たお堂です。

町指定文化財を示す標柱です。

標柱によると、愛宕山東光寺というのがお寺の名前だったようです。

田との境界に寄せられた五輪塔群です。

場所 熊本県球磨郡多良木町大字黒肥地4914