油谷ダムは、八代市坂本町鮎帰にあるロックフィルダムです。
揚水発電所の下部調整池となります。
九州電力大平発電所で水力発電を行っています。
揚水式発電所の下部調整池
油谷ダムは、1974年に完成しています。
特徴は、揚水発電のために造られた発電専用ダムというところです。
純粋な取水用ダムではなくて、揚水発電のための調整池用ダムというのが、このダムのおもしろいところです。
上部調整池の内谷ダムとの高低差490mを利用して水力発電を行います。
太陽光発電のピーク時の余剰電力などを使って、油谷ダム湖から内谷ダム湖へ揚水し、水を有効利用しています。
内谷ダムと違い、堤頂部は車でも通れるようになっています。
しかし、天候にかかわらず、予期せず水位が変化する揚水式発電用調整池です。
こちらも、内谷ダム同様ダム湖への立ち入りは固く禁じられています。
したがって、釣りをするのは難しいと思います。
洪水吐はトンネル式です。
ダム本体より少し上流にある取水ゲートです。
ここから、水を出し入れします。
ダム湖に入る隙がありません。
ダムカード
上部調整池となる内谷ダムにはダムカードはなかったのですが、油谷ダムにはダムカードがあるようです。
道の駅さかもとで、ダム訪問時の写真を提示するともらえるみたいです。
油谷ダムも発電専用のダムで、内谷ダム同様、観光的な要素は備えていません。
にもかかわらず、内谷ダムよりアクセスし易いためか、油谷ダムの人気は高いようです。
場所 熊本県八代市坂本町鮎帰
大平発電所
既に書きましたように、大平発電所は揚水式水力発電所です。
揚水発電所は、九州電力管内に3ヶ所ありますが、最初にできたのがこの大平発電所でした。
写真の施設は、開閉所といって、発電した電力を送電線へ送るための施設です。
発電所本体は、地下300mにあります。
上部調整池は内谷ダム
大平発電所の上部調整池が、内谷ダムによるダム湖です。
油谷ダムと内谷ダムはセットで運用されています。
両ダムは直線距離で3㎞程度しか離れていませんが、直接行き来する車道はありません。
八代か人吉へ迂回して行くしかありません。
八代経由で1時間30分、人吉経由だと2時間30分くらいかかります。
諸元
名称 | 油谷ダム |
場所 | 熊本県八代市坂本町鮎帰 |
水系 | 球磨川 |
河川 | 油谷川 |
型式 | ロックフィル |
事業者 | 九州電力 |
施行者 | 鹿島建設 |
ダム湖 | 油谷調整池 |
目的 | 発電 |
最高出力 (発電) | 大平発電所 500,000kw |
堤高 | 82.0m |
堤頂長 | 189.2m |
堤体積 | 1,277千㎥ |
流域面積 | 13.8㎢ |
湛水面積 | 23ha |
総貯水容量 | 5,420千㎥ |
有効貯水容量 | 3,680千㎥ |
着手/竣工 | 1970/1975 |