阿久根高等学校は、かつて鹿児島県阿久根市にあった県立高校です。
学校再編で3校を1校へ統合したため、閉校しています。
阿久根長島地域高校再編実施計画
2005 年(平成 17年)に、阿久根長島地域の県立高校3校は1校に統合されています。
- 阿久根高等学校
- 阿久根農業高等学校
- 長島高等学校
統合校は鶴翔(かくしょう)高等学校として、阿久根農業高校の敷地内に新設されました。
閉校した3校は、すべての生徒を見送り、2007年(平成19年)に閉校しました。
1952年(昭和27年)の市制施行時4万人を超えていた阿久根市の人口も、いまや2万人と半減しています。
高校再編は避けて通れなかったのでしょう。
校舎と体育館
最寄り駅は肥薩おれんじ鉄道阿久根駅となります。
阿久根高等学校は、駅から歩いて10分ほどの立地となります。
新設された鶴翔高等学校は、さらに 10分ほど歩く必要があります。
校内の様子を見る限り、閉校後利用されている形跡はありません。
広い敷地に3階建ての校舎が3棟建てられています。
いちばん北側に体育館が位置します。
中をのぞくと現役の高校の体育館のように見えます。
しかし、ステージには最後の卒業式を祝う吊り下げ看板が置いてあります。
記念碑
校門の横に記念碑とモニュメントが建てられています。
古代ギリシャの像的なモニュメントです。
何やらとても古い記念碑があります。
楷書体で読めませんが、最上段の「鹿児島県阿久根高等女学校」というのはわかりました。
こちらの歌碑は、草で半分が隠され読めません。
閉校記念碑には、「阿久根高等女学校と阿久根高等学校跡地」とあります。
グラウンド
グラウンドは草刈りがしてあり、管理されているのがわかります。
野球場のダイヤモンドは草すら生えていません。
グラウンド側から校舎の全容が見えます。
2005年(平成17年)までは、たくさんの高校生が通っていたのがウソのように静かです。
休日も部活動で、ほぼ休みなく使われていたグラウンドですが、今は誰もいません。
運動場周りには、部活動の部室が残っています。
武道場でしょうか?
自転車通学の学生が駐輪していたであろう、自転車置き場です。
グラウンドのとなりは草に覆われていますが、テニスコートがありました。
草に埋もれたネットの支柱がそれを物語っています。
プールです。
沿革
阿久根高等学校の前身は、1897 年(明治30年)に創立した阿久根女学校であり、阿久根女子職業学校を経て県立高校となっています。
1923 年(大正 12年) | 鹿児島県立阿久根高等女学校となる |
1956年(昭和 31 年) | 鹿児島県立阿久根高等学校へ改称 |
2005 年(平成17年) | 高校再編により新入学生の募集停止 |
2007年(平成19年) | 閉校 |
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