荒瀬ダムは、鹿児島県肝属郡肝付町波見にあるロックフィルダムです。
かつて熊本県八代市にあった、荒瀬ダムと全くの同名です。
この記事は、鹿児島県の荒瀬ダムについて書いています。
熊本県と鹿児島県の荒瀬ダム
熊本県の荒瀬ダムの撤去工事のさなか、2017年(平成29年)に竣工したのが、鹿児島県の荒瀬ダムです。
熊本県の荒瀬ダムの撤去工事が完了したのは翌年、2018年(平成30年)のことでした。
熊本県の荒瀬ダムが、その名称に地名を冠したのに対し、鹿児島県の荒瀬ダムは、その河川名、荒瀬川をもとにしています。
熊本県の荒瀬ダムが発電専用だったのに対し、鹿児島県の荒瀬ダムはかんがい専用ダムとなっています。
かんがい用ダム
荒瀬ダムは、国営の肝属中部農業水利事業の中心事業となる施設です。
大隅半島は雨量の多い地域なのですが、降雨は梅雨時期と台風時期に集中しています。
例によってシラス土壌の台地は保水性が乏しく、夏場は慢性的な水不足に悩まされてきました。
荒瀬ダムを水源として、43.3 kmに及ぶパイプラインで導水します。
揚水機場1ヶ所とファームポンド5カ所で、主に畑地をかんがいします。
肝属中部土地改良区では、荒瀬ダムの落差を利用して、最大出力 308kw の小水力発電所を備えます。
ダム本体
地図上で荒瀬川を見て、小規模なダムを想像していました。
水量が多いのか、思っていたよりも大きなダムです。
ダム湖も想像以上にたくさん貯水しています。
警備上のガードは固いダムです。
ダムの管理所のある左岸側は、関係者以外立ち入りできません。
ダム湖周辺も立入禁止となっていて、釣りはムリなようです。
外来魚放流禁止の看板があちこちに建てられています。
右岸側から見学はできますが、堤頂部には入れません。
堤体直下にダムを見上げられる場所があるのですが、やはり立入禁止です。
見学を申込めば入れてくれるのかもしれません。
常用洪水吐から越流していました。
それなりの水量はあります。
ダムから利水地となる肝属平野を見渡せます。
ロックフィルダムらしい、岩のごつごつした感じがはっきりわかります。
諸元
名称 | 荒瀬ダム(鹿児島県) |
場所 | 鹿児島県肝属郡肝付町波見 |
水系 | 肝属川 |
河川 | 荒瀬川 |
型式 | ロックフィルダム |
事業者 | 九州農政局 |
施行者 | 前田建設工業・清水建設 |
ダム湖 | - |
目的 | かんがい用水 |
最高出力 (発電) | 308kw (小水力発電) |
堤高 | 65.6m |
堤頂長 | 407.5m |
堤体積 | 1,741千㎥ |
流域面積 | 7.9㎢ |
湛水面積 | 15ha |
総貯水容量 | 2,580千㎥ |
有効貯水容量 | 2,180千㎥ |
着手/竣工 | 1989/2017 |
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