中央南小学校は、かつて熊本県下益城郡中央町(現在の美里町)にあった公立小学校です。
閉校後は、学校の雰囲気を残した体験型宿泊施設として活用されています。
美里やすらぎ交流体験施設「元気の森かじか」
中央南小学校は、閉校後「元気の森かじか」として再利用されています。
学校の横を流れる釈迦院川では、カジカガエルが鳴くことからついた名称です。
「元気の森かじか」は、美里町のやすらぎ交流体験施設です。
利用者は宿泊しながら、食育体験や木工体験ができるしくみです。
他にも、川遊びやカヌー、田植え、茶摘みなど季節に合わせた自然体験ができるのが売りです。
「元気の森かじか」は、国道443号線のアクセスで、熊本市から1時間足らずという地の利があります。
山村体験ができる、宿泊施設となっています。
校門と閉校記念碑
主要幹線である国道443号線から、敷地内に入るには釈迦院川を渡る必要があります。
橋を渡ると、正面が正門です。
大きな石造門柱には、中央南小学校の表札が残してあります。
正門前には閉校記念樹の植栽があります。
駐車場の川沿いには、何やら石碑が見えます。
閉校記念碑なのですが、両脇には古い門柱が建っています。
閉校記念碑のために移築されたものかと考えましたが・・・
続いているブロック塀との違和感がなく、あまりにもこの場所になじんでいます。
おまけに表札まで、川に向けてたまま残してあるということは、旧校門であることを意味します。
川床の橋脚跡が、それを裏付けます。
つまり、もともとあった旧校門の位置に、閉校記念碑が建てられということです。
創立100周年記念碑と国旗掲揚台
創立百周年記念碑は、時計台になっています。
碑文は楷書体で書かれていています。
国旗、校旗、村旗をなびかせていた、3本の掲揚台を備えます。
校舎
校舎では、「元気の森かじか」が営業しています。
宿泊施設も兼ねるので、手を入れてあります。
しかし、外観は学校の雰囲気を意識的に残してあるのがわかります。
「元気の森かじか」のオープンは、2004年(平成16年)です。
似たような施設のなかでも、老舗に入りつつあります。
長い間設備を維持するには、少しづつ補修する必要があります。
防水工事中でしたが、発注者を見ると町有資産なのがわかります。
裏にまわると、小学校時代にはなかった、入浴施設も完備していることがわかります。
プールと体育館
25mブールは現役施設で、7~8月に利用できます。
体育館も学校当時のまま、現役施設として利用できます。
運動場
運動場は地域の方も使われる、社会教育施設です。
校区内のこども園の運動会会場でもあり、小学校当時の活気が残っています。
学校跡の有効活用が、成功している印象を持ちました。
沿革
1873年(明治6年) | 払川小学校として創立 |
1891年(明治24年) | 払川尋常小学校へ改称 |
1918年(大正7年) | 年祢南部尋常高等小学校へ改称 |
1941年(昭和16年) | 年祢南部国民学校へ改称 |
1947年(昭和22年) | 年祢村立年祢南部小学校へ改称 |
1955年(昭和30年) | 中央村立中央南小学校へ改称 |
1999年(平成11年) | 中央北小学校跡に中央小学校を新設し町内4校を統合 閉校 |
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