仏木坂古戦場　下り坂なのに車がバックする天草国人一揆の激戦地│Harada Office Weblog

仏木坂(ふっきざか)というのは、熊本県苓北町にある古戦場です。

現在は天草下島北部広域農道、通称オレンジロードの一部になっています。

天草五人衆

戦国時代の天草には有力な戦国大名はおらず、天草五人衆とよばれる中世からの豪族が治めていました。

1589年、豊臣秀吉が九州平定したあとは、小西行長に肥後国の南半分が与えられます。

小西行長は天草五人衆に、宇土城建設に協力するよう命じています。

ところが自分たちの独立性を侵されたと感じた天草五人衆は、小西行長の命を断固拒否することになります。

小西行長は熊本城の加藤清正と組み、天草へ攻め入りました。

小西行長は、天草五人衆のなかでも最も反抗的だった志岐氏の居城を攻めています。

志岐氏に加勢するため、天草氏も志岐へ向かいます。

豪勇として知られる天草氏の武将・木山弾正(だんじょう)は、仏木坂で小西・加藤連合軍と交戦しました。

加藤清正と一騎打ちに持ち込んだ木山弾正は、正に首を落とそうとしたとき、誤って自分の家臣の槍にかかって最期を遂げたといわれています。

あと一歩のところで加藤清正に討たれた、木山弾正の無念さは計り知れず、この地に怨念が残っているといわれます。

車を停めてギアをニュートラルに入れると、自分の思っている方向と逆に方向に動き出します。

木山弾正の無念が車をひっぱっているといい、この坂は木山弾正無念坂と名付けられています。

古戦場なのでありがちですが、仏木坂は天草の心霊スポットとして名を連ねます。

目撃される霊は、武士の姿のものだけではなく、女性や子供の姿をしているといいます。

実は、加藤・小西連合軍が天草五人衆を鎮圧した後には、一族に対する非道な仕打ちがあったといわれています。

仏木坂には戦死した兵士のほか、戦後迫害を受けた武将の家族の怨念が集まり、怨霊の住処となっているといわれています。