弊立（へいたて）神宮は、熊本県上益城郡山都町にある神社です。
隠れ宮から一転し、最近は注目度の高いパワースポットとなっています。
夏目友人帳の聖地
5期第3話「祓い屋からの手紙」で、夏目がニャンコ先生を探しているシーンで登場した神社のモデルは、弊立神宮といわれています。
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
国道218号線沿いの鳥居と、森におおわれた参道はまさに、作中のシーンと一致します。
鳥居の色が違うのは、赤色に塗り替えられているためです。
アニメ放映時点では、モデルの鳥居も白色でした。
日本一の古社
弊立神宮のある場所は、健磐龍命(たけいわたつのみこと)が、阿蘇に下向した際に、休憩した場所といわれています。
ながめが良かったことから、幣帛(へいはく)を立て、天津神をまつったとされています。
幣帛(へいはく)というのは、神へ捧げもののことです。
人類の起こりの神社であり、日本最古の神社ということになります。
その歴史は 15,000年ともいわれています。
高天原
高天原(たかまがはら)というのは、日本神話で天津神が住んでいるとされた場所です。
古事記では天上界にあったとされています。
本当の高天原の場所には諸説あるようで、日本各地のみならず海外にも存在しています。
弊立神宮に残る神話や伝承から、この地が高天原神話の発祥の地という一説となっています。
このあたりを「九州のへそ」というのは、九州本土の地理的な重心、つまりまんなかあたりだからです。
天孫の隠れ家
健磐龍命は、応神天皇の時代の「高天原（たかまがはら）の乱」に関わっていました。
そのため、自ら身を隠して「隠れ宮」になったといいます。
また、九州のへそともいわれる山深い場所にあります。
そのため、長い間全国的には無名であったといわれています。
日露の大役・記念の真木
日露戦争の開戦時、日本全国の8カ所の神社に戦勝祈願するように、神が示されたといわれます。
その8社のなかに、弊立神宮があったため、感激した氏子が記念にマキを植樹しています。
当社以外の7社は、いずれも有名な各地の一の宮だったそうです。
ご祭神・ご利益
- 神漏岐命(かむろぎのみこと)
- 神漏美命(かむろみのみこと)
- 大宇宙大和神(おおとちのおおかみ)
- 天御中主神(あめのみなかぬしのおおかみ)
- 天照大神(あまてらすおおのかみ)
- 阿蘇十二神
スケールの大きな願い事に、最もご利益が発揮されるとされています。
ご神木
弊立神宮の森
スギ木立ちの鎮守の森です。
天神木のヒノキ
社殿の右に立つヒノキのことです。
神漏岐命(かむろぎのみこと)と、神漏美命(かむろみのみこと)が火の玉に乗り、このヒノキに降臨したとされています。
もっとも初代のヒノキは、15,000年も前からこの地に根付いていて、現在のヒノキは、11代目になります。
根株にあるのが10代目です。
9代目には、天照の世の鏡コブが見え「首ッ玉」と書かれていました。
天神木「高千穂」
ご神木の頂点は「高千穂」でした。
1991年(平成3年)の台風で、根株だけになってしましました。
双子杉
社殿裏に鎮座する、東水神宮に行く途中にあるご神木です。
大幹が2本に分かれる双子スギです。
五百枝杉
夫婦杉の横に立つスギの大木です。
特徴的な枝ぶりから、五百枝（いおえ）スギと名付けられています。
東水神宮
双子杉と五百枝杉のある道を、そのまま進むと東御手洗とよばれる湧水地につきます。
弊立神社の社殿からは、少し坂道を上り下りすることになります。
湧水は、水玉の池に注いでいます。
水玉の池は八大龍王の鎮まる聖地とされています。
鎮座するのは、東水神宮です。
北辰妙見大神（ほくしんみょうけんおおかみ）をまつります。
瓊瓊杵尊が、このご神水で全国の主要地を浄められたとされます。
また、秦の始皇帝が、不老不死の霊薬をこの神水に求められたといいます。
まとめ
訪れてみて、お参りする方が多いのに少し驚きました。
広い駐車場もこの通り、たくさんの車が止められています。
弊立神宮がパワースポットとして、注目度が高いのがわかります。
歴史研究者や宗教からも注目している、というのがわかるような気がしました。
ほかにも陵墓と社家、聖徳堂などがありますが、社地が広くて全部はみていません。
社地だけでなく、その歴史も伝説のスケールも大きな神社でした。
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