広沢ダムは、宮崎県東諸県郡綾町にある農業用ダムです。
大淀川左岸地区の農地にかんがい用水を送っています。
ダム本体
広沢ダムには、右岸側から行きました。
右岸側はあまり良い道ではありませんが、管理はされています。
落石や倒木は取り除いてあります。
道中に木製の砂防ダムがありました。
石積みもコンクリートではなく自然石を使ってあります。
堤頂部を渡って左岸側に行く予定でした。
しかし、許可のない車両は通行できないとの表示があるため断念しています。
柵や鎖などはされておらず、渡ろうと思えば渡れそうでした。
管理事務所は左岸側にあり、ダム湖の説明板などのメイン施設も左岸側です。
美しい常用洪水吐
満水になると本体の上部にある洪水吐から、自然越流するようになっています。
洪水吐はダムの横幅いっぱいに広がり、堤体を水が流れ、涼しげで美しい姿をみることができます。
全体の写真を撮るなら、左岸側のほうが見渡せます。
広沢ダムでは、河川維持用水を利用した小水力発電を行っています。
水上スキー
ダム湖は水上スキー場になっています。
湖面にボートを降ろす場所は、右岸側にあります。
しかし普段は立入禁止になっています。
ダムの堤体近くで釣りをするのもムリです。
大淀川左岸土地改良区
大淀川の左岸地区は、1960年代に大規模な干ばつで農作物に大きな被害がでました。
1970年代に地区調査を経て、大淀川左岸地区水利開発事業が計画されます。
その中心施設が広沢ダムです。
広沢ダムのほか、頭首工1ヶ所、ファームポンド7カ所と揚水機場6カ所、そして約70 kmに及ぶパイプラインを含む大事業でした。
工事は2005年(平成17年)に完了しています。
岩前頭首工
頭首工というのは、農業用水を河川から取水するための堰のことです。
岩前頭首工は、広沢ダムのある浦之名川のさらに上流に位置しています。
別事業で 1993 年(平成5年)に竣工していました。
しかし、小規模で水対策としては十分でなかったため、この事業で改築されています。
諸元
名称 | 広沢ダム |
場所 | 宮崎県東諸県郡綾町大字入野 |
水系 | 大淀川 |
河川 | 浦之名川 |
型式 | 重力式コンクリート |
事業者 | 九州農政局 |
施行者 | 間組・三幸建設工業 |
ダム湖 | - |
目的 | かんがい用水/小水力発電 |
最高出力 (発電) | 640kW |
堤高 | 62.7m |
堤頂長 | 199.0m |
堤体積 | 168千㎥ |
流域面積 | 43㎢ |
湛水面積 | 35ha |
総貯水容量 | 5,100千㎥ |
有効貯水容量 | 3,800千㎥ |
着手/竣工 | 1974/2000 |
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