加久藤峠の室内温水プール跡というのは、宮崎県えびの市にある室内温水プール跡の建物です。
国道221号線の加久藤峠の坂道に、ひっそりとたたずみます。
往時のレジャー施設
室内温水プールができた当時のくわしい情報はありません。
国道221号線の加久藤峠区間には、室内温水プールのほか、ローラースケート場などの娯楽施設がありました。
施設の外には屋外プールも確認できます。
推測になりますが、年間通じて遊べるレジャープールとしてオープンしたのでしょう。
2000 年前後になると、スイミングスクールとして運営されていたという情報があります。
そのためか、ネット上では abc スイミングスールと紹介されたりしています。
しかし、スイミングスールは、2002年 (平成14年) に撤退しています。
その後も、何度か所有者が変わっていますが、 プールとして使われることはありませんでした。
現在は、倉庫として使われる現役建物です。
私有物件のため立ち入ることはできません。
時代の変遷
加久藤峠の温水プールは、1970年代に建てられています。
当時、国道221 号線の加久藤峠区間は、南九州と熊本・福岡を結ぶ大動脈でした。
九州自動車道が南北から延伸されると、お盆や正月それからゴールデンウィークには、決まって渋滞していました。
山間部にもかかわらず、沿線には飲食店や宿泊施設などが並んでいました。
ところが、1995年 (平成7年)、九州自動車道人吉IC 〜 えびの IC 区間の開通により、事態が一変します。
流れ込んでいた車は、九州自動車道を利用するようになり、交通量が急に減ってしまいました。
次第に沿線のお店は廃業を余儀なくされています。
全盛時代
そもそも加久藤峠は、九州南部と九州北部をつなぐ大動脈ながらも、道路事情から難所とよばれていました。
日本最後の交通の難所ともよばれ、1960年代から改良に着手していました。
なかでも、最大の難所に加久藤トンネルが開通したのが1972年(昭和47年) です。
さらに、1977年 (昭和52年)に人吉ループ橋が完成します。
1979年(昭和54年)の、えびのループ橋完成で改良を完了しています。
当時は、2つのループ橋と加久藤トンネルは観光地と化し、たくさんの車が通るようになります。
国道221 号線加久藤峠区間の全盛期は、加久藤峠の室内温水プールのオープン時期と重なっています。
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