上色見小学校は、かつて熊本県高森町にあった町立小学校です。
現在も昔懐かしい木造校舎が残っています。
木造校舎
上色見小学校の最大の特徴は木造校舎です。
見たとたんに、 昭和時代にタイムスリップしたような錯覚に陥ります。
校舎は1951年 (昭和26年)に建てられたものです。
別棟のトイレやストーブの煙突は、今ではなかなか見ることがなくなりました。
まるで、昭和時代の典型的な小学校を、そのまま現代に蘇らせたようです。
これだけ保存状態が良い物件は、復元したものでもない限り見かけることはありません。
阿蘇フォークスクール
阿蘇フォークスクールというのは、上色見小学校閉校後に設立したNPO法人です。
フォークスクールというのは、民衆の学校という意味で、 フォークミュージックの学校ではありません。
工芸講座や農業体験、ハイキング、トレッキングなどの自然体験の場を提供しています。
木造校舎を保存する目的もあったのでしょう。
おかげで閉校後も維持管理され、風景に溶け込む美しい校舎が保存されています。
根子岳
上色見小学校のみどころは木造校舎ですが、背景の根子岳も見応えがあります。
阿蘇五岳のなかでも異彩を放つ根子岳の特徴は、ギザギザ頭です。
昔、高岳・中岳・烏帽子岳・杵島岳・根子岳は高さ比べをしていました。
結果、末っ子の根子岳は長男の高岳を抜き一番高くなりました。
実は、根子岳は鬼たちに竹田から運ばせた土を、頭に積ませていたのでした。
ズルがバレた根子岳は阿蘇大明神の逆鱗に触れ、頭を何度もボコられました。
ギザギザ頭になったのは、そのためといわれています。
沿革
1889年(明治22年) | 荒川・前原学問所を合併し上色見簡易校とする |
1890年(明治23年) | 上色見尋常小学校へ改称 |
1910年 (明治43年) | 現在地へ移転 |
1941年 (昭和16年) | 上色見国民学校へ改称 |
1947年 (昭和22年) | 色見村立上色見小学校へ改称 |
1955年(昭和30年) | 高森町立上色見小学校へ改称 |
2003年(平成15年) | 高森町立高森小学校と統合 高森中央小学校となり閉校 |
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