河内(かわち)小学校は、かつて熊本県天草市栖本町(すもとまち)にあった公立小学校です。

天草市となる以前の旧栖本町(すもとまち)時代に閉校していますが、現在も樹木の手入れが行き届き美しい景観を保ちます。
校庭

河内小学校を訪れて、まず驚くのはその校庭です。

駐車場を取り囲むように、卒業記念樹がずらりと並びます。

見事に剪定され、まるでお屋敷の庭園のようです。

樹種もさまざまで、閉校後も念入りに手入れされていることがわかります。

ひとつひとつに卒業記念の石碑が建てられ、大事に育てられています。

お城のような外壁と生け垣がマッチして、景観上も非常に美しいものとなっています。

閉校後20年経過して、これだけ手入れされ続けているのに驚きました。

校舎

校舎は、河内小学校閉校後は、栖本地区コミュニティセンターとして使われています。

敷地内の手入れが行き届いているのは、もちろん現役施設というのもあります。

しかし、公共施設といえば殺風景なところも多いものです。

しかし、河内小学校の跡地は、地域の方々に大事にされているのが感じ取れます。

校庭が美しいのも、同様です。

ちなみに、現在残る校舎は1980年(昭和55年)に建て替えられたものです。

以前は、木造の校舎が県道と平行に並んでいました。

記念碑

校庭には閉校記念碑があります。

これまた大きくてりっぱな石碑です。

碑文には万感の想いを秘めて、記念碑を建立したことが書かれています。

そして、校歌の碑です。

閉校時の在校児童と教職員のお名前が残されています。

こちらは、創立100周年記念碑です。

碑の文字は、時の栖本町出身の衆議院議員・吉田重延先生の署です。

碑文には、河内小学校の永遠の発展が祈念されています。

いろいろな岩石のサンプルも、庭園の中に美しく展示されています。

運動場

運動場は、1984年(昭和59年)に拡張工事が行われています。

そして、運動場の周囲にも、卒業記念の植樹がなされています。

それはもう庭園の域に達しています。

こちらはハーブ園みたいです。

半分地面に埋められた、古タイヤの遊具が並びます。

体育倉庫も現役感を醸し出します。

高い支柱を使って張られたネットは、閉校後もメンテナンスされていることがわかります。

体育館

体育館は、間に熊本県道34号松島馬場線をはさみます。

1977年(昭和 52年)に落成したものです。

玄関の横には、河内小学校の文字が残っています。

体育館の植栽も低く刈り込まれ、全体的にとにかく手入れに行き届いた感が強く残りました。

沿革

1875年(明治8年) | 河内小学校創立 |
1907年(明治40年) | 河内尋常高等小学校へ改称 |
1908年(明治41年) | 河内尋常小学校へ改称 |
1941年(昭和16年) | 河内国民学校へ改称 |
1947年(昭和22年) | 栖本村立河内小学校へ改称 |
1962年(昭和37年) | 栖本町立河内小学校へ改称 |
2001年(平成13年) | 栖本町立橋本小学校へ統合 閉校 |
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