巨田神社(こたじんじゃ)は、宮崎県宮崎市佐土原町にある神社です。

831年に、白羽の矢が飛んできたため、そこに祠を立てたのが始まりとされます。
宇佐八幡の田島荘

当初は、天太玉命(あめのことだまのみこと)をまつっていました。

1093年に、このあたりは宇佐神宮の荘園「田島荘」となりました。

巨田神社は宇佐神宮を勧請し、田島荘の産土神となっています。

当時は、巨田八幡宮と称していました。

中世には領主伊東氏に尊崇され、保護を受けています。

現本殿は、1547年に建てられたものです。

南九州では数少ない、室町時代中期の建築様式をいまに伝えています。

国の重要文化材です。

摂社の若宮社、今宮社の社殿は、県の有形文化財に登録されています。

ご祭神

祭祀されるのは、八幡神と住吉神です。

- 誉田別命(ほんだわけにみこと・応神天皇)
- 大帯姫命(おおたらしひめのみこ・神功皇后)
- 上筒男神(うわつつのおのかみ)
- 中筒男神(なかつつのおのかみ)
- 底筒男神(そこつつのおのかみ)

巨田神楽

巨田神楽は、1600年ごろから巨田神社に奉納されていた、この地域独特の神楽です。

秋の例祭は、11月15日前の日曜になります。
リズムも軽快ですが、舞手の方の動きも軽快です。

巨田神楽は宮崎市の無形文化財で、巨田神社の本殿だけでなく、22枚棟束も国の重要文化財です。

巨田大池の鴨網猟

巨田大池は、巨田神社のそばにある農業用にため池です。

400年以上前からあるため池で、カモが越冬しにきていました。

巨田大池では、佐土原藩時代に若手藩士が、心身の鍛錬をかねたカモ猟を行っていました。

といっても、鉄砲がある時代ではありません。

越網(こえあみ)をカモに向かって投げて捕獲する古典的狩猟です。

現在も、佐土原越網保存会により越網猟が伝承され、県の無形民俗文化財に指定されています。

周辺は、巨田神社の本殿とともに、歴史的価値の高い地域と評価されています。
