八代市の国指定名勝といえば、松浜軒(しょうひんけん)を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、「水島」をわすれてはいけません。
地味ながらも、妖火「不知火(しらぬい)」とともに、国の名勝として指定されているスポットです。
不知火
八代海のことを別名「不知火海」ともよんでいます。
不知火というのは、八代海でみられる怪現象です。
旧暦の7月31日の未明に、海岸から数キロメートルの沖に、いくつもの火が並んで見えます。
蜃気楼の一種であり、八代海ならではの諸条件と気象条件が重なったときだけ現れる現象です。
その昔、不知火を近くで見ようと船で近づく人がいました。
しかし、近付いても遠ざかり近くで見ることができなないため、怪火とされていました。
かつては龍神の灯火といわれ、付近の漁村では不知火の見える日に漁に出ることを禁じていました。
不知火は今でも出現することがあります。
もっとも最近は、干潟が埋め立てられたうえ、電灯の灯りで夜の闇が照らされるため、不知火の出現率は下がっています。
水島
なんと日本書紀に名前の由来が書かれています。
景行天皇が、この島で食事をとろうとしたとき、水がありませんでした。
そこで、天地の神々に祈ったところ冷水が湧き出しました。
そのためこの島を水島とよぶようになったといいます。
また、万葉集や枕草子の題材にもなった島であり、古くからの景勝地です。
水島は不知火の出現地であるため、不知火と合わせて国の名勝に指定されています。
龍神社
水島の入口にある神社が龍神社です。
1856年創建で、海岸堤防西側「万葉歌碑」の所に鎮座していました。
1961年(昭和36年)海岸堤防改修工事により水島の横の移築されました。
どういうわけか、鳥居は堤防の内側にあります。
神社はこのとおり、堤防の内側です。
境内が堤防で遮られています。
干潮だったので、水島へ行けました。
ご利益
- 農作物豊作
- 事業隆盛
- 家内安全
- 無病息災
- 家庭円満
- 子孫繁栄
- 無災害
万葉の里公園
龍神社と水島の入り口には、普通車なら2~3台は停められます。
国の名勝ともなれば、観光バスの駐車場やトイレも必要です。
水島から少し堤防沿いを進んだところに、水島にちなむ「万葉の里公園」が整備されています。
水島の正規駐車場は、万葉の里公園にありますので、時間が許せばセットでのご訪問をおすすめします。
場所
水島
万葉の里公園
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