大畑(おこば)駅は、熊本県人吉市にあるJR九州肥薩線の駅です。
日本で唯一、ループ線とスイッチバックをあわせ持つ駅となります。
したがって、鉄道ファンの間では、ちょっとばかり名の知れた駅です。
ひとむかし前からは、夏目友人帳の聖地として来訪者も増えました。
さらに、最近はオーベルジュ?として話題です。
CLASSIC RAILWAY HOTEL 人吉球磨
JR肥薩線のオーベルジュ!!
オーベルジュっていうのは何なんだ?
と思って調べてみました。
レストラン付きのホテルを意味するフランス語です。
フランス本国では、レストランのシェフがオーナーであることが多いそうです。
すると、ホテル付のレストランともいえます。
肥薩線は鉄道遺構といわれ、レトロ感満載です。
この肥薩線を廊下に見立て、3駅をまたいだオーベルジュが誕生しています。
その名が「CLASSIC RAILWAY HOTEL 人吉球磨」なのです。
- 人吉駅でチェックイン
- 大畑駅のレストラン ・・・ 囲炉裏キュイジーヌLOOP
- 矢岳駅の古民家再生ホテル ・・・ 星岳・月岳
囲炉裏キュイジーヌLOOP
CLASSIC RAILWAY HOTEL 人吉球磨 のレストランです。
肥薩線開業時に建てられた保線詰所をリノベーションしています。
大畑駅ループ線のすばらしいロケーションを見ながら、食事を楽しみます。
ホテル宿泊者ではない方も利用します。
星岳・月岳
おとなりの矢岳駅前にオープンした、古民家一棟貸しの宿です。
明治時代に建てられた、矢岳駅の駅長官舎をリノベーションしています。
大畑駅に名刺を貼ると出世する
大畑駅の駅舎に名刺を貼ると出世するという話があります。
誰が始めたのか、駅の待合室にはたくさんの名刺が貼られています。
有人駅だったころには、名刺なんか貼られていませんでした。
天井の名刺は脚立でも持ち込んだのでしょうか?
名刺を貼るためだけに、この駅を訪れる方もいらっしゃいます。
夏目友人帳の聖地
夏目友人帳のファンの間では、とても有名な聖地です。
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
まず、1期第5話「心色の切符」で登場しています。
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
その後もとなりの宮地嶽神社とともに、何度もモデルとなっているからです。
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
6期のオープニングの舞台ともなっています。
駅の切符売り場のあったところには友人帳が置いてあります。
宮地嶽神社
大畑駅の玄関口に鳥居がある神社を、宮地嶽神社といいます。
2014年(平成26年)に撤去された、人吉駅の跨線橋の支柱を鳥居として再利用しています。
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
夏目友人帳ファンの方ならご存知と思います。
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
大畑駅と同じく、聖地とされている場所です。
©緑川ゆき・白泉社/「夏目友人帳」製作委員会
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ループ線とスイッチバック
ループ線もスイッチバックも、急こう配を登るための鉄道のしくみです。
大畑駅が急こう配の途中にあることを意味しています。
肥薩線の人吉~吉松間は、1909年(明治42年)まだ峠越えをできる国産蒸気機関車がなかった時代に敷設されました。
大畑の町からは3~4㎞はなれた、山中につくられた駅です。
蒸気機関車の時代は、人吉駅から大畑駅まで登るのに、1トンもの石炭を使っていました。
さらにこの先、峠越えがひかえているため、給水ポイントが必要でした。
当時の大畑駅は、蒸気機関車の給水所としての役割が大きかったといわれています。
鉄道遺産
現役の営業路線なのに、鉄道遺産とよばれるのは、わけがあります。
肥薩線開業当時の建物や、蒸気機関車時代の遺構がそのまま残されているためです。
南九州産業近代化遺産群というのは、2007年(平成19年)に、経済産業省が選定したものです。
公的にも近代化遺構と認められています。
とりわけ、大畑駅には多くの近代化遺構が残っています。
駅舎
駅舎そのものです。
開業当時の木造駅舎と木製改札口に明治時代を感じます。
周辺の鉄道施設
ループ線とスイッチバックのことです。
肥薩線の早期復旧を願って写真を探してみました🏃
— なるまる🌠ポポロン (@tokimekupoporon) December 28, 2020
矢岳越えの普通列車は混合列車で、車内から後方を撮りました📸
ループ線を回っているところです💫
スイッチバックすると重そうな貨車の連結器音がガシャガシャン!と響いて小気味良かった思い出があります✨
昭和55年7月#肥薩線 #混合列車 #矢岳越え pic.twitter.com/1aA3VwE0n5
開業当時の蒸気機関車に登坂させるために設計された技術です。
現在の気動車は軽快に登っていきます。
石造りの給水塔
蒸気機関車に給水するための給水塔です。
勾配を登るためには、燃料となる石炭だけではなく水も補給が必要でした。
朝顔形噴水
蒸気機関車のすすを洗い流すための石造りの洗顔場です。
湧水を利用しています。
現役で水をたたえています。
宮地嶽神社の手水として利用されています。
いさぶろう しんぺい
JR九州が運行する観光列車です。
大畑駅のある人吉~吉松間のために開発された列車です。
現在、大畑駅に停車する列車は1日、下り3便、上り3便となっています。
そのうち観光列車「いさぶろう しんぺい」が1日2往復です。
まとめ
数ある肥薩線の木造駅舎の中でも、大畑駅には不思議な魅力を感じます。
オーベルジュを開業した人たちも、大畑駅に同じような感覚を抱いたのかもしれません。
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