三之宮峡というのは、宮崎県小林市にある渓谷です。

34万年前の加久藤カルデラ大噴火でできた溶結凝灰岩が、 浜ノ瀬川の浸食を受けできた渓谷となります。
霧島ジオサイト

ジオパークというのは、科学的意義がある地質や地形を1つにまとめたエリアです。

ジオサイトというのは、ジオパークのなかの見どころあるスポットのことです。

三之宮峡は、霧島ジオパークのなかのジオサイトです。

三之宮峡の遊歩道は、全国遊歩道百選に選ばれています。

知名度はさておき、地形・地質学の専門家が評価する風光明媚な観光地です。

遊歩道沿いには、その特徴的なスポットが連続します。

トロッコ軌道

三ノ宮峡には遊歩道が設置されています。

遊歩道は、 当初から観光用につくられたものではありません。

本来は、 木材や木炭を運ぶ、森林軌道浜ノ瀬線のトロッコ軌道跡です。

昭和30年代まではトロッコが走っていたのですが、改修して遊歩道としたものです。

手掘りトンネル

岩壁には 11個のトンネルが手掘りで掘られています。

ほぼ垂直に切り立つ岩が連続する渓谷を抜けるために、岩を貫いています。

第1トンネル | 50m |
第2トンネル | 27m |
第3トンネル | 11m |
第4トンネル | 35m |
第5トンネル | 12m |
第6トンネル | 42m |
第7トンネル | 32m |
第8トンネル | 31m |
第9トンネル | 12m |
第10トンネル | 20m |
第11トンネル | 27m |

長いトンネルには、人感センサー付きの照明があるので安心です。

屏風岩

文字通り屏風のような、火山活動と浸食によってできた、高さ 32m、幅 60mの溶結凝灰岩です。

遊歩道沿いには、屏風のような岩が連続しますが、その中でもひときわ大きな岩となります。

河童洞

河童洞は、高さ15m、幅10m、深さ25mの洞窟です。

月明かりの夜、人影がなくなると、カッパが遊び戯れると伝わります。

櫓の轟

櫓の轟(やぐらのとどろ)というのは、高さ 7.5m、幅 3.6mの滝です。

近づくと滝つぼからは、淵にこもった滝の音が響き轟きます。

千畳岩

平らな岩が並ぶ様子が、まるで畳を敷きつめたように見えるため、千畳岩と名付けられています。

永年の水の浸食で作られた、自然の芸術品です。

橋満橋

橋満橋(はしみつばし)というのは、長さ 17m、幅 4.7m、高さ23mの橋です。

1943年(昭和18年)、地元の人が浜の瀬川を渡るために造りました。

このときは戦中で鉄筋が手に入らず、竹筋で造ってあります。

トロッコ軌道はこの先も続いていたのでしょうが、遊歩道は橋満橋のところで途切れます。

終点からは階段で、 橋満橋橋上の道へ登ることができます。


関連記事
【関連記事】永久野かくれ念仏洞 九州南部で禁止されていた一向宗の信仰拠点
【関連記事】クルソン峡 大河平事件と宮崎県初の労働争議・フランス山事件