杉安ダム 小さなアーチ式が特徴

杉安ダムは、宮崎県西都市にある、九州電力が管理するダムです。

逆調整ダム

杉安ダムは、すぐ上流にある一ツ瀬ダムとセットで運用されています。

建設も一ツ瀬ダムとセットで行われました。

一ツ瀬ダムの発電で使用された水が、下流域へ悪影響を及ぼさないように、杉安ダムで調整するわけです。

とはいえ、杉安ダム自体でも発電を行っています。

アーチ式ダム

一ツ瀬ダムとセットで建設されたためか、杉安ダムも一ツ瀬ダムと同じ、アーチ式ダムとなっています。

杉安ダムのような小規模なダムで、アーチ式のものは、あまり見ることができないと思います。

杉安ダムのような形状の放水ゲートを、ラジアルゲートと呼びます。

この日は、7門あるラジアルゲートのうち、2門から放水中でした。

こんな感じです。

九州電力の管理するダムは、堤頂部は立入禁止のものが多いです。

堤頂部へは、あの階段からは入れるようです。

一ツ瀬川地区土地改良事業

杉安ダムは、農林水産省の土地改良事業の取水堰としても機能しています。

ここで取水された水は、導水路を通って東原の調整池に送られます。

そして宮崎平野北部の農地に、かんがい用水を送っています。

杉安導水路の取水口です。

このゲートから農業かんがい用水を取水しています。

発電用の取水はこのゲートからでしょう。

諸元

名称杉安ダム
場所宮崎県西都市大字南方
水系一ツ瀬川
河川一ツ瀬川
型式アーチ式コンクリート
事業者九州電力
施行者間組
ダム湖杉安調整池
目的かんがい用水/発電
最高出力
(発電)
11,500kw
堤高39.5m
堤頂長156.0m
堤体積40千㎥
流域面積68.0㎢
湛水面積165ha
総貯水容量8,765千㎥
有効貯水容量2,247千㎥
着手/竣工1960/1963