多良木高等学校は、熊本県球磨郡多良木町にあった県立高校です。
通常は、多良木高校、略して多高(たこう)といっていました。
高校再編
過疎化と少子化の波は、高校の再編に及んでいます。
熊本県教育委員会では、球磨地域の県立高校3校を、統合再編し2校とすることで検討していました。
2014年(平成26年)に、熊本県立球磨商業高校と南稜高校そして多良木高校のうち、多良木高校の学科を、別の2校移し、閉校とする方針を公表しました。
2017年(平成29年)の入試から、生徒の募集を停止しました。
2019年(平成31年)3月、最後の学年の生徒たちが卒業した後、閉校しています。
反対運動
地元では、主に人口減少が加速することを理由に高校再編に反対してきました。
しかし、この地域の中学卒業生数では、県側が基準とする1学年4学級の適正規模を満たすことができません。
多良木高校の近年の定員は1学年3学級でしたが、定員割れが続いていました。
再編後は、球磨郡の高校は、球磨中央高校と(新)南稜高校の2校となりました。
現況
現在も往時のままの姿を残しています。
ただし、敷地内に入ることはできません。
熊本県立球磨支援学校の移転や、多良木町立多良木中学校の移転案が検討されているようです。
ピーク時は1学年7クラス、合計21学級があった高校です。
校舎もそれなりのキャパシティーを持っています。
そして部活動にも力を入れていました。
広大な敷地に、グランドや体育館などの設備が残されています。
沿革
1922年(大正11年) | 多良木他8ヶ村学校組合立多良木実科高等女学校として創立 |
1931年(昭和6年) | 県へ移管、熊本県立多良木実科高等女学校となる |
1951年(昭和26年) | 熊本県立多良木高等学校と改称 |
1968年(昭和43年) | 新校舎落成、現在地へ移転 |
1972年(昭和47年) | 水上分校開校 |
1990年(平成2年) | 水上分校閉校 |
2017年(平成29年) | 高校再編に伴い、生徒募集を停止 |
2019年(平成31年) | 閉校 |
昔あった、ニコニコドー側からの入り口です。
第二体育館は、1994年(平成6年)落成でした。
南側の平屋の校舎です。
水上分校
1970年代、高校進学希望者の増加から、県立高校の定員増が必要となり、水上村に分校を設置しました。
水上分校は、1学年2クラス、定員90名程度の小さな高校でした。
水上分校開校当時は、水上中学校でもトップクラスの学力を持つ生徒が進学していました。
しかし、1980年代になると、生徒が減少したことに加え、車道の整備が進み、本校への通学が容易になります。
水上村からの進学希望者も、分校より本校のほうがはるかに多くなりました。
水上分校は、1990年(平成2年)に閉校となりました。
1993年(平成5年)、水上分校の校舎を改築し、岩野小学校が移転しました。
現在は、岩野小学校となっています。
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