熊本・宮崎・鹿児島の3県を同時に訪れることができるスポットをご存じでしょうか?
それが熊本・宮崎・鹿児島の三県境です。
まさに、九州南部究極のマイナースポットといえるでしょう。
九州南部唯一の三県境
3県の県境が1点に集まる場所を三県境(さんけんきょう)または、三国境(みくにざかい)といいます。
三県境は全国に48ヶ所あり、めずらしいものではありません。
しかし、その多くが山の頂上や、川の真ん中にあり、たどり着くのが難しかったりします。
さらに、九州にある三県境はたった3ヶ所です。
福岡・熊本・大分の三県境 |
熊本・大分・宮崎の三県境 |
熊本・宮崎・鹿児島の三県境 |
九州は島なので、沖縄県を含む場合は周辺の島も含めた九州地方と表現するのが一般的です。
ですから、九州南部といえば九州の南半分、つまり熊本県と宮崎県、それから鹿児島県を指します。
九州南部にある唯一の三県境が、熊本・宮崎・鹿児島の三県境なのです。
三県境のランドマーク
三県境の位置には、足場を組んで作った鉄パイプ橋がかかっています。
安全のため一人ずつ通行しましょう。
一人ずつ通行しても、あまり安全な気がしないほど揺れます。
対岸にある立札には、「大河平林木遺伝資源保存林(おおこうびらりんぼくいでんしげんほぞんりん)」と書いてあります。
立札の位置図を見ると、まさに現在地が3県境です。
九州南部の究極のマイナースポット、「熊本・宮崎・鹿児島の三県境」に到着です。
座標をGPSで確認
念のため、公式の座標と照合してみます。
座標 | 北緯32度6分2.86秒 東経130度43分14.20秒 |
度分秒 | 32° 6′ 2.86″ N, 130° 43′ 14.2″ E |
十進数 | 32.100794, 130.720611 |
Geo URI | geo:32.100794,130.720611 |
UTM | 52S 662354 3552904 |
上記の座標をグーグルマップで表示させてみると、ここです。
座標のうえでは桑木都留川の左岸側、つまり立札とは反対側が三県境になっています。
橋のたもとにある標柱が三県境なのでは?と思いましたが、表示が消えて読めません。
回線は圏外ですが、GPSは生きてます。河原に降りて、スマホのGPSで確認してみます。
赤色のマークが三県境の座標で、青の丸印が現在地です。
ナニコレ、三県境はここよりずーっと南側になっとる?
GPSってこんなに誤差でる?
と考えていると・・・
正面に見える支流の流れ込みが、GPSが正確なことを物語っていました。
ならば沢沿いを上流へ、ってムリでしょ。
座標上の三県境を求めて
とりあえず、熊本・宮崎・鹿児島の三県境のランドマーク・鉄パイプ橋は制覇しました。
次は座標上の三県境を求めて、一旦林道まで戻りGPSを見ながら、南へ進んでみます。
幸い林道は、桑木都留川沿いを通してありました。
カエデの大木あたりがちょうど県境です。
さっそく計測します。
オォ―、ジャストフィット。
正確には、カエデの木の先の崖地が、座標上の熊本・宮崎・鹿児島の三県境です。
3県を堪能
北側が熊本県、南東側が宮崎県、南西側が鹿児島県です。
まず、宮崎県と鹿児島県をまたいで、熊本県を見てみます。
熊本県から宮崎県を見た景色です。
熊本県から鹿児島県を見た景色です。
宮崎県から熊本県を見ています。
宮崎県から鹿児島県を見ています。
鹿児島県から熊本県を見ます。
鹿児島県から宮崎県を見ます。
熊本・宮崎・鹿児島の3県が同時に会する場所は、ここ以外にはありません。
三県境へ行くには
熊本・宮崎・鹿児島の三県境は、想像どおり山の中にあります。
しかし、林道が通っていて近くに人家もありますので、比較的簡単に行くことができます。
ただし、それは熊本県側からアプローチした場合に限ります。
宮崎県や鹿児島県側から近づくと、難易度が高くなります。
三県境への道
国道267号線からのアプローチになります。
大塚コミセン(大塚小学校跡)と東大塚簡易郵便局の間の急カーブが登り口です。
寺本製茶さんの製茶場と直売所が目印になります。
大塚林道といいます。
最初の曲がり角を過ぎると、いきなり時間帯通行止めの表示が・・・現在午前7時です。
もし、9時までに戻ってこれなければ、10時までゆっくりしてこようと思います。
最初の交差点は、矢岳林道との分岐点です。
矢岳へ抜けると鹿児島県から遠ざかってしまうので、桑木都留川(くわのきつるがわ)沿いを直進します。
次の交差点は橋を渡ります。
この橋を、桑木都留橋といいます。
大塚林道の起点にあった4トンを超える車の通行制限は、桑木都留橋の老朽化によるものです。
つぎの分岐は、林道の左側にある鉄塔が目印です。
ちなみに大塚林道起点から鉄塔まで、車で約15分でした。
大塚林道の本線は直進ですが、三県境へ行くにはここから支線に入ります。
ここからは、未舗装の道路になります。
手入れされた人工林で光は差し込んでいますが、ガードレールなどありません。
道路の中央が高くなっているところがあります。
雨で土砂が流出した部分は、大きめの石でうめてあります。
林道走行に適した車両で行く方以外は、歩いたほうが良いでしょう。
林道の支線はさらに分岐がありますが、迷わず桑木都留川沿いを直進します。
林道沿いには、人が住んでいる(た)形跡もあり、心強いです。
分岐の先に標柱が見えてきます。
この分岐こそ、三県境の入口です。
ここからは、普通の乗用車ではムリでしょう。
車で行くときは、落石や倒木の除去が必要な場合もあります。
三県境の橋まで、目印の鉄塔から歩いて約15分でした。
大塚林道の起点まで降りてきたのは、通行止めになる9時の5分前でした。
大塚林道起点から三県境まで行って、帰ってくる時間の目安は約2時間です。
場所
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