四十九所(しじゅうくしょ)神社は、鹿児島県肝属郡肝付町にある神社です。
流鏑馬(やぶさめ)祭で有名で、その由緒はかつての領主、肝付氏に由来しています。
由緒
984年に、肝付氏の祖・伴兼行が、追捕使(ついほし)として下向するさい、伊勢神宮を勧請したのがはじまりです。
ちなみに追捕使というのは、旧領制国の官職です。
現在でいえば、警察庁キャリアが、県警本部長として地方に赴任するようなものでしょう。
後には、肝付氏の守護神となっています。
今でこそ鹿屋市が大隅半島の中心都市となっています。
しかし、周辺は島津氏領となるまでは、肝付氏が高山城を構えた、大隅半島の中心都市でした。
四十九所神社は、大隅一円の宗社として発展を遂げています。
四十九柱のご祭神
祭神の数が49柱であることから、四十九所神社と称しています。
- 天神七代
- 地神五代
- 五記の神
- 他三十二柱
流鏑馬
実は、四十九所神社という社名よりも、流鏑馬(やぶさめ)で有名な神社です。
10月第3日曜日の流鏑馬奉納祭には、全国から注目が集まります。
なんと平安時代末期から900年も続くお祭りです。
流鏑馬のためだけに、参道の半分が未舗装のままにしてあります。
四十九所神社の流鏑馬は、鹿児島県の無形民俗文化財に指定されています。
境内
社地は、肝付町役場のすぐ南東です。
拝殿は2021 年(今和3年)に、改築されたばかりです。
実は 2020年(令和2年)に、数度訪れたのですが、その際は改築中でした。
その分、本殿がよく見えていました。
朱色の塗装がまぶしい、美しい社殿に仕上がっています。
まっ白な本殿とよくマッチします。
どのくらい重いのか想像もつかない手水鉢は・・・
大隅一円の宗社にふさわしい風格があります。
拝殿向かって左側の大きな岩は、安産神のご神体です。
子孫の繁栄と安産を祈願します。
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