赤池小学校は、かつて宮崎県串間市にあった公立小学校です。
あの幻の新谷分校の本校なのですが、本校も大束小学校と統合し閉校しています。
赤池地区
串間市街から宮崎県道34号線を、北上していくと赤池地区につきます。
さらに北上すると鹿児島県志布志市に入る、県境近くの集落です。
2万5千年前に、始良カルデラの大噴火により、入戸火砕流が押し寄せた地域となります。
火山性堆積物でできた凝灰岩を、大矢取川が浸食してできた赤池渓谷沿いに集落が形成されています。
新谷分校
かつては、大矢取川のさらに上流に、串間営林署の大矢取事業所がありました。
国有林事業が盛んになり、山には多くに人が移り住みます。
1949年(昭和 24 年)、林業集落の形成に合わせて、赤池小学校の新谷分校が開設されています。
原木の伐出が終わると営林署は撤退し、集落自体が消滅しました。
新谷分校は、1966年(昭和41年)に廃校となっています。
新谷小学校跡地は山深く、山林に戻っています。
串間市にゆかりのある方でも、正確な分校跡の特定は難しくなっています。
串間市赤池地区活性化センター
赤池小学校は閉校後、赤池地区活性化センターとして利用されています。
学校跡では、閉校や周年事業を記念した石碑をよく見かけるのですが、赤池小学校跡には見当たりません。
新谷分校跡を訪れた方のブログにも、石碑などの遺構の写真はありません。
過去にとらわれず、未来を見る地域性なのかもしれません。
沿革
1872年(明治5年) | 上大矢取地区・下大矢取地区で1日交代の寺後屋式教育で創立 |
1909年(明治42年) | 大束尋常高等小学校大矢取分教場となる |
大矢取尋常小学校として独立 | |
1941年(昭和16年) | 赤池国民学校へ改称 |
1947年(昭和22年) | 大束村立赤池小学校へ改称 |
1949年(昭和24年) | 新谷分校を開設 |
1954年(昭和29年) | 串間市立赤池小学校へ改称 |
1966年(昭和41年) | 新谷分校を閉校 |
1992年(平成4年) | 休校 |
1994年(平成6年) | 串間市立大塚小学校へ統合 閉校 |
場所 宮崎県串間市大矢取608
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