えびの市営露天風呂というのは、かつて宮崎県えびの市にあった温泉施設です。

残念ながら2005年(平成17年)を最後に、営業していません。
ワイルドな露天風呂

えびの市営露天風呂は、1958年(昭和33年) えびのスカイラインが開通したさいオープンしています。

もともとは沢に湧き出る温泉をせき止めて、石を積み上げた、オール露天のワイルドな風呂でした。

泉源温度は52℃程度で、湯温は42℃程度なので、程よく入浴できました。

このあたりは、甑岳(こしきだけ)の登山口で、奥には自炊の宿泊施設が併設されていました。

今でいう、簡易宿泊所みたいなものでしょう。

管理棟の奥は、温泉水の販売所でした。

謎の湯温低下

2003年(平成15年)ころから湯温が安定せず、湯温が下がると臨時休業していたといいます。

それでも、夏場の入浴には良いとされていましたが、2005年 (平成17年)の夏には、さらに湯温が低下しています。

同年9月に台風14号が通過した後は、泉源温度も28℃まで低下し、休業を余儀なくされました。

再開を目指し調査するも原因はわからず、2006年 (平成18年) に閉業しています。

2012年 (平成24年)には、 解体との報道もありましたが、2023 年 (令和5年) 現在も建物が残っています。

火山活動は活発化

2011年 (平成23年)から、霧島連山の活火山・新燃岳が噴火を繰り返しています。

さらに 2017年(平成29年)からは、すぐ近くの硫黄山の活動も活発化しました。

もしかすると、えびの市営露天風呂の湯温も回復しているのかもしれません。

しかし、2018年 (平成30年)からは、 噴火警戒レベルが上がったことから、えびのスカイインも通行止めになっています。

2022年 (令和4年)には条件付きで通行止めは解除されましたが、硫黄谷噴気孔の活動は、なおも活発です。

もう一度、えびの高原の景色を見ながら露天風呂に浸かりたいとは思います。

しかし、温泉廃止からかなりの時間が経過し、再開発の余地はないでしょう。


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