藤川天神というのは、鹿児島県薩摩川内市にある菅原神社のことです。
太宰府から南下してきた菅原道真公が、最終的に行きついた地と伝えられています。
ツンの像
ツンというのは、西郷隆盛の愛犬です。
西郷どんは政府をはなれ鹿児島へ帰ったあと、 薩摩の山々で狩りを楽しみました。
薩摩川内市でツンと出会い、たいへん気に入り譲ってもらっています。
西郷どんは鹿児島の屋敷にツンを連れて行ったのですが、ツンは屋敷から脱走しています。
行方不明になったツンは、なんと薩摩川内市のもとの飼い主に家に一匹で帰っていました。
一度ならず二度も脱走して、 薩摩川内まで行ったというエピソードがあります。
そのためか、 薩摩川内市のゆるキャラは 「西郷つん」 となっています。
藤川天神の伝説
ご祭神の菅原道真公は、広く知られているとおり、 陰謀により大宰府に左遷されています。
一般的には、 大宰府で謹慎中に亡くなったとされていますが、 藤川天神の伝説では続きがあります。
さらに京より迫る刺客から逃れるために船で南下し、 お告げにより湯田口海岸から上陸しています。
さらに、山を越え東郷の藤川へたどり着き、 天神さんになられたと伝えられています。
菅原道真公の御陵
藤川天神の伝説によると、 菅原道真公が眠るのはこの地です。
境内には菅原道真公のお墓があります。
臥竜梅
藤川天神の梅は、枝ぶりが竜のように見えることから臥竜梅(がりゅうばい)とよばれています。
菅原道真公は梅が好きなことは、 北野天満宮や太宰府天満宮が梅の名所であることからも知られています。
藤川天神の臥竜梅は、菅原道真公が手植した1本から広がったものと伝わります。
毎年2月中旬から3月上旬が見ごろで、 多くの花見客が訪れています。
ご祭神・ご利益
菅原道真公
学問の神さまです。
毎年受験シーズンには多くの参拝客が訪れます。
現王神社と馬頭観音
現王神社というのは、藤川原にあった現王神社と大久保の現王さまを合祀した神社です。
ご祭神の現王山之神は、狩猟の神さまです。
京より八頭の犬とともに、この地をやってきて住み着いたといわれています。
馬頭観音は、農耕の神さまです。
牛馬の安産祈願のため、 藤川天神に合祀されています。
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