船津ダムは、熊本県下益城郡美里町にあるダムです。
長崎県にも同名のダムがありますが、この記事では熊本県の船津ダムについて書いています。
緑川ダムの逆調整
船津ダムは、緑川ダムの2km下流にあるダムです。
緑川ダム直下には、緑川第一発電所があります。
大きなダムの発電所では、発電量の変化により、下流の水位が大きく変動します。
船津ダムは、下流の水位変動を少なくする役割を果たしています。
これを逆調整とよんでいます。
船津ダムの直下には、緑川第二発電所と緑川第三発電所が配置されます。
船津ダムは、緑川ダムの逆調整をしつつ、その高低差を利用し発電もしています。
霊台橋との対比
霊台橋(れいだいきょう)は流れの早い船津狭に、1827 年にかけられた石橋です。
単一アーチ橋としては日本最大級のものです。
国指定の有形文化財となっています。
一方、船津ダムは零台橋の完成から143 年後の、1970年に完成しています。
霊台橋と並んでかけられた鉄骨橋は、船津ダムに先駆け 1966年にかけられたものです。
霊台橋と船津ダムは、人造構造物の新旧対比が楽しめる観光スポットになっています。
堤体
ローラーゲートが5門ならぶ重力式コンクリートダムです。
堤頂部は車では通れませんが、歩いてなら通れます。
しかし、左岸側は行き止まりになっているみたいです。
上流側からの撮影スポットをさがすため、左岸側を進んでみました。木が成長して見渡せるところはみつけられませんでした。
そうこうしているうちに、上流の緑川ダムに到着します。
諸元
名称 | 船津ダム |
場所 | 熊本県下益城郡美里町清水字肉伏 |
水系 | 緑川 |
河川 | 緑川 |
型式 | 重力式コンクリート |
事業者 | 熊本県 |
施行者 | 西松建設 |
ダム湖 | - |
目的 | 発電 |
最高出力 (発電) | 6,100kW |
堤高 | 25.5m |
堤頂長 | 175.0m |
堤体積 | 41千㎥ |
流域面積 | 377.8㎢ |
湛水面積 | 30ha |
総貯水容量 | 2,495千㎥ |
有効貯水容量 | 1,070千㎥ |
着手/竣工 | 1967/1970 |
関連記事
【関連記事】緑川ダム 折れ曲がったうえ補助ダムをもつ複雑な地形にあるダム
【関連記事】美里町石橋群 自然に溶け込み調和した100年以上前の職人技
【関連記事】ダムがもっと好きになる ダムを楽しむ本をチェックしてみた