花尾神社は、鹿児島市花尾町にある神社です。
樹齢300年の社叢林(しゃそうりん)に、さつま日光とも呼ばれる豪華な社殿が鎮座しています。
社殿
一の鳥居から二の鳥居までは、400~500mほどの車道となります。
二の鳥居の先に駐車場が設けられています。
花尾神社は、江戸時代までは「花尾山権現」と称し、神仏習合の神社でした。
手水は出ていないようですが、センサー式です。
近づくと水が出ます。
境内のスギはメアサスギといって、薩摩の在来品種です。
社殿は、鹿児島県の指定文化財となります。
きらびやかで豪華なことから、日光東照宮になぞらえ「さつま日光」の異名を持ちます。
なんと、社殿内に上がることができます。
社殿内
社殿内では装飾や奉納された扁額などを見ることができます。
ご祭神
島津家初代忠久公が、父である源頼朝公と母である丹後局そして、神社の創始者である永金をまつるために創建したとされています。
主祭神
- 源頼朝公・・・鎌倉幕府を創設した武将です。
- 丹後局・・・島津家初代忠久公の母君です。
配祀神
- 僧永金
丹後局からの信仰が厚かった僧侶です。
花尾神社の別当寺「平等王院」を建立しています。
相殿祭神
- 清和天皇
源氏の祖先にあたる日本の第56代天皇です。
由緒
1218年に、島津津忠久公が薩摩に下行した際に、頼朝尊像を花尾山の麓に御堂を建てて安置したと伝わります。
一方で、花尾山の山岳信仰に根差した神社という説もあります。
いずれにしても、島津氏ゆかりの神社ということで、藩からも厚く保護されました。
花尾神社は、島津忠久公のご出生にまつわることから、安産のご利益で有名です。
摂社
花尾神社の社殿右側には、摂社の稲荷神社と春日神社が鎮座します。
島津氏ゆかりの神社といえば、稲荷神社が有名です。
島津忠久公ご出生のさい、稲荷社より狐が火をともして丹後局と忠久公をお守りしたと伝えられるためです。
花尾神社の石塔群
丹後局は、島津忠久公から薩摩国へ迎えられ、薩摩国で没しています。
参道へ行く途中には、丹後局が座られたという岩があります。
この岩のそばには、丹後局の腰掛石と彫られた碑があります。
さらに参道には、丹後局のお墓が残ります。
実は丹後局のお墓は、近世に建てられたことがわかっています。
もともとは、御苔石(おこけいし)とよばれる、安産のお守りに表面を削り取られていた石塔が本来のお墓といわれています。
僧永金もここに眠ります。
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