岩渕小学校は、かつて鹿児島県出水郡野田町(現在の出水市)にあった、町立小学校です。
閉校から40年以上経っていますが、跡地には今なお学校の雰囲気が残っています。
旧野田町
野田町は、出水市のなかでもいちばん阿久根市に近い町です。
旧野田町がそのまま、出水市の町名になっています。
肥薩おれんじ鉄道の野田郷駅から、鹿児島県道 368号荒崎田代線を、真っすぐ南下します。
途中から御手洗川の支流、野田川に沿って脇道へ入ったところに岩渕小学校がありました。
最寄りのバス停は、下特手(しもこって)になります。
旧野田町が出水市となったのは、2006年(平成18年)です。
閉校当時は、出水郡野田町立岩渕小学校でした。
そのまま残る学校の雰囲気
校内に入る前には、高台に校門の石柱や、フェンスが見えています。
学校の雰囲気が 40 数年前のまま残されていました。
校門へ登る石段です。
ソテツが成長して、石段の半分をふさいでいます。
校門の石柱です。
反対側の門柱です。
閉校記念碑です。
銘板には、右側に学校沿革、左側には校歌が書かれています。
しかし、よく見ないと何が書いてあるのかわかりません。
運動場は現在もグランドゴルフ場として活躍しています。
運動場のすみには、ベンチを置いて休憩できるようにしてあります。
敷地隅に残された人型のオブジェです。
初代校長の筆で彫られた記念碑です。
プールは解体されていません。
そして、校舎の一部が残っています。
閉校記念碑の学校沿革には、「1972年(昭和47年)新校舎(鉄筋)落成」とあります。
残っているのは一見、木造平屋建ての校舎です。
よくよく見ると、構造は鉄筋です。
敷地のどこを見ても、手を付けるのをためらっているかのように、学校の雰囲気が残されていました。
沿革
1886年(明治19年) | 岩渕簡易小学校として創立 |
1892年(明治25年) | 岩渕尋常小学校へ改称 |
1941年(昭和16年) | 野田村立岩渕小学校へ改称 |
1947年(昭和22年) | 野田町立岩渕小学校へ改称 |
1975年(昭和50年) | 野田町立野田小学校へ統合 |
1977年(昭和52年) | 閉校 |
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