南方神社(みなかたじんじゃ)は、 鹿児島県枕崎市にある神社です。
薩摩藩領内の南方神社で、例にもれず並列鳥居で有名です。
並列鳥居
諏訪神社の多くが薩摩藩領 (現在の鹿児島県) では、南方神社と称しています。
南方神社の特徴は並列鳥居です。
鳥居が横に並んだ姿は、 島津氏領内独特の風景です。
信濃国諏訪大社は、上宮と下宮があります。
南方神社も同様に、 当初は上社と下社がありました。
遷座の過程で上社と下社はひとつの社殿となりましたが、鳥居だけは2つ残されました。
そのため、 諏訪神社や南方神社では、 並列鳥居が見られるようになりました。
なお、 枕崎市の南方神社では、神域に入る場合はどちらの鳥居から入ってもよいとされています。
ただし、帰りには入ったときの鳥居と違う鳥居から出ることとされています。
招魂塚
招魂塚(しょうこんつか)というのは、並立鳥居の脇にある石碑です。
西南戦争で戦った枕崎出身の武士を慰霊します。
由緒
1357年、 加世田郷の宇敷山 (蔵多山) に、 信濃国(現在の長野県) 諏訪大社を勧請したものです。
当初は、山頂の上社と麓の下社がありました。
1444年、 伊集院照久により現在地へ遷座されています。
1872年に、 諏訪神社から南方神社へ社号を変えています。
1909年 (明治42年)には、大山積神社・立神神社・津留神社(熊野権現宮) ・木原神社を合祀しています。
ご祭神
南方神社の主祭神は2柱です。
枕崎市の南方神社神社の並立鳥居は、それぞれのご祭神の鳥居ともいわれます。
行きと帰りで違う鳥居をくぐると、男女の縁はもちろんさまざまな良縁に恵まれるとされます。
建御名方神 (たかみなかたのかみ)
武神・農業神・狩猟神・水神
八坂刀売神 (やさかとめのかみ)
建御名方神の配偶神・弥栄の女神・至誠の神
ご利益
南方神社には、必勝・子授け・夫婦和合 家内安全・病気平癒・商売繁盛など多くのご利益があります。
なかでも有名なのが 「縁結び」 や 「恋愛成就」で、南方神社は縁結びスポットとして知られます。
コンカツ計画
コンカツ計画(プロジェクト)というのは、最初は婚活のことと思っていました。
しかし、どうやら稚内市と枕崎市が夫婦(めおと)都市となり、それぞれの特産品であるコンブとカツオからとった「コン+カツ」みたいです。
もちろん両市が結婚調印したことから、「婚活」という意味も含んでいます。
歯固め石
お食い初めというのは、生後100日前後に行う儀式です。
一生食べ物に困らず、長生きするように願いを込めるものです。
歯固め石にあてた箸を、子供の口に当てご飯を食べるまねをします。
使うときにはよく洗い、終わったらまたここへ返します。
猪目石
猪目石(いのめいし)というのは、ハー ト型に似ている石ですが、由来はその名の通り猪の目です。
心願成就お守りや勝お守りを置いて願掛けをすると、魔除け・招福にご利益があるとされます。
境内社
南方神社の境内には、いくつかの摂末社があります。
淡島神社
ご祭神の少毘古那神(すくなひこなのかみ) は、 病気平癒・安産・子授けの神さまです。
菅原神社
ご祭神の菅原道真公は、学問・至誠・厄除けの神さまです。
枕崎護国神社
戊辰戦争以降の緒戦により、尊い命をささげられた1871柱の神霊をまつります。
稲荷神社
ご祭神の豊宇気神(とようけのかみ)は、商売繁盛・家運繁栄・大漁満足の神さまです。
水神神社
水先案内の神様で、路を迷わないように導いてくれます。
関連記事
【関連記事】台場公園の蛭子神社 カツオ一本釣り漁枕崎港東岸の公園
【関連記事】大隅国・薩摩国神名帳令和版 鹿児島県の神社一覧表