鳥嶽(からすだけ)円形分水というのは、大分県豊後大野市にある、農業土木施設です。
鳥嶽山麓にひっそりとたたずむ、美しい施設となります。
円形分水
円形分水は、複数の水路に常に一定量の水を分配することができる、日本の農業土木の結晶です。
農業用の利水施設なので、受益農家の人以外の目に触れる機会は、あまりありません。
ただ、見た目が美しいため、最近は観光資源としてPRしているものもあります。
鳥嶽円形分水も、長谷諸土地改良区の案内看板が立てられ、観光アピールをしています。
訪れるなら5月中旬から8月
円形分水というと、周囲には田園が広がるイメージでしたが、烏嶽円形分水は違います。
山岳のなかにある円形分水です。しかも、通水していません。
この田植えが始まっている時期に通水していないということは、役割を終えたものと思っていました。
帰ってから調べてみると、 5月中旬から8月末に限り通水するみたいです。
目覚めた森の美女
鳥嶽円形分水は、1938年 (昭和13年) 長谷諸井路の通水に合わせて造られた円形分水です。
奥岳川から取水し、小原方面と上緒方方面に分水するための施設となっています。
支柱は 29 本、28個のスリットが入ります。
その姿は 「眠れる森の美女」と比喩されています。
次回は、水が流れる姿 「目覚めた森の美女」 を、 見に来たいと思いました。
大規模林道から歩く
烏嶽円形分水へは、高規格の大規模林道・宇目小国線で行きます。
PRしているので、近くまで車で行けると思い、脇道に入ってみます。
ほどなくチェーンが張られ行き止まりです。 (通水時期は外されるのかもしれません)
この脇道、 本当の林道で、離合どころかUターンするスペースもありません。
分岐にあるわずかなスペースで、なんとか切り返し脱出しました。
車で行くなら、大規模林道の路肩に車を止めて、歩いて向かうのが正解です。
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