川平の巨石群というのは、 鹿児島県出水市にある珍しいスポットです。
丘の上にいくつもの巨石があり、神秘的な様相を呈しています。
珍スポット
川平の巨石群の光景はとても珍しく、周辺は川平観音公園として整備されています。
巨石の大きなものは周囲が30mにものぼります。
人為的に置かれたものではなく、自然現象によってできあがったと考えられています。
神秘的な光景が広がりますが、 鹿児島県道46号阿久根東郷線からは少し入り込んだ場所にあり、気付かずに素通りする方も多いスポットです。
いにしえの火山活動
成分は溶結凝灰岩という、火山活動による噴出物が固まってできたものです。
実は、 川平の巨石群はどこの火山由来のものかはわかっていません。
加久藤カルデラ以前、つまり11万年以上前にできた岩石というのはわかっています。
当初は玉ねぎ状であったものが、永い間に浸食され同心円の球形になったといわれています。
展望台
丘の一番高いところには、 木製の展望台がつくられています。
3階建てになっていて、 公園内の巨石群と北薩の山々を見渡すことができます。
川平観音
川平の巨石群は、昔から信仰の対象であったのか、いくつかの神さまがまつられています。
川平観音または岩野観音とよばれています。
1575年ごろ、近くの笠山山麓には瀬崎野牧場がありました。
岩野観音に、阿久根市桐野の早馬大明神をまっつてから、良馬を生産するようになったといいます。
野田郷周辺はもちろん川内東郷あたりの若者も、馬に乗って岩野観音と早馬神社を詣る風習がありました。
蟻の神
蚕(カイコ)というのは、蛾(ガ)の一種です。
かつては、養蚕(ようさん)といって、絹糸をつくるためにカイコの繭(まゆ)を使っていました。
弥生時代から行われ、戦前は日本の主要産業でした。
川平観音の傍らにあるのは、蟻(アリ)の神です。
蟻の神の砂を蚕室(さんしつ)にまくと、カイコの天敵であるアリの害を免れるといわれていました。
現在も祠が設置され、大切にされています。
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