優しい顔の仏さまというのは、 鹿児島県南九州市にある石造仏像のことです。
現時点では優しい顔の仏さまには、 ほとんど情報がありません。
現地で何かわかることがあればと思い訪れてみました。
判明した情報
近くに寺院はありません。
昔からあるように見えますが、1999年(平成11年)の作品です。
銘板によると作成者は 「 西忠治」さん です。
周りに桜の木が植えてあり、 春はサクラの名所でしょう。
なるほど、 お名前の通り優しい顔をしておられます。
なぜ仏さまが?
旧川辺町は鎌倉時代、いやもっと以前から仏教が栄えた地域です。
1130年に川辺へやってきた平道房や、かつての地頭 ・川邉氏が仏教を広めたためです。
清水摩崖仏を刻んだ、 平家の残党たちも加わり仏教が盛んでした。
その名残は、現在も川辺仏壇にみられます。
仏教の盛んな川辺だからこそ、 道端に大きな仏像があるのでしょう。
川辺仏壇
川辺仏壇というのは、旧川辺町で製造される仏壇のことで、国の伝統工芸品です。
その特徴は、7つの工程をそれぞれの専門の職人集団が手掛ける完全分業制です。
1 | 木地 | 本体の木を組む |
2 | 彫刻 | 木を彫り刻む |
3 | 宮殿 | 内部の屋根・宮殿を造る |
4 | 金具 | 金属部を加工する |
5 | 蒔絵 | 絵や模様を描く |
6 | 塗り | 漆を塗る |
7 | 仕上 | 金箔をはり仕上げる |
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