祭神は農耕を司る神、大山昨神(おおやまいくんのかみ)です。
このあたりでは市房山神宮に次ぐ高神とされています。
古くから農業の神として崇めらられ親しまれてきました。
狛猿
北嶽神社で特徴的なのは、お神使い(おつかい)がひひ(サル)ということです。
拝殿の前には「狛犬」ならぬ「狛猿」が鎮座しています。
向かって左側が「老ひひ」です。
右側が「母子ひひ」です。
古来より神猿は「まさる」とよばれ、「魔去る」「勝る」に通じる縁起の良いものとされてきました。
このため、北嶽神社は「魔除け」「厄除け」「家業繁盛」「勝負の神」として信仰されています。
サルは親子の愛情が深く、お産が軽いうえ繁殖力もあるので、「子授け」「安産」「子育ての守護神」としても親しまれてもいます。
実際、神社周辺にはニホンザルが野生しており、道路沿いで目撃することがあります。
相良村周辺ではサルに関する逸話や伝説が多くあり、ニホンザルは最近居ついたものではなく、昔から神社周辺に生息していたことがうかがえます。
伝説「狒(ひひ)のなみだ」
仇討ちやひひ退治の伝説で知られる、岩見重太郎という戦国時代の武将がいます。
北嶽神社は、この岩見重太郎が「ひひ」退治をしたところという伝説があります。
また、故小山勝清氏の著書「それからの武蔵」の中で、宮本武蔵が「ひひ」退治をしたところとして、北嶽神社を紹介しています。
北嶽神社のある相良村では、「狒のなみだ」という、ひひ(サル)の生まれ変わりの少女と、きこりの青年の恋の悲劇が伝説として残っています。
北嶽神社は毎年9月23日が秋の大祭ですが、この伝説に由来する「ひひ舞」が奉納されます。
北嶽神社の歴史
西暦 | 時代 | 沿革 |
810年 | 平安時代 | 北嶽日吉神社創建 |
1513年 | 室町時代 | 相良長毎公が再興 |
1690年 | 江戸時代 | 相良頼喬公が社殿造営 |
1894年 | 明治27年 | 3月29日社殿焼失 相良村晴山地区氏子により再興 |
1985年 | 昭和60年 | 社殿大改築 |
1991年 | 平成3年 | 9月27日台風19号により社殿倒壊 |
1992年 | 平成4年 | 相良村晴山地区氏子により再興 |
総本山は日本最古の神社といわれる、滋賀県大津市の日吉大社です。
標高は645m、人里を離れ少し山深いところにあります
参道の入り口までは、2車線の林道が整備されています。
鳥居下の駐車場から神社へ行くには、参道を少し歩くことになります。
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