小八重 (こばえ) 小学校は、かつて宮崎県美郷町にあった公立小学校です。
保存状態の良い木造校舎が残される、貴重な学校跡となります。
小八重地区
小八重地区は耳川の中流域にあたり、集落は耳川沿いを中心に広がっています。
八重というのは、山の中腹に広がる平地を意味し、山地の地名としてよく使われます。
耳川流域は両岸ともに山が迫り、わずかな平地は貴重な農地になっています。
小学校へ行くには、小八重集落から支流の増谷川へ入り、上流へ少しさかのぼります。
校地はすこし人里離れ、山を削って造成されています。
木造校舎
学校跡を訪ねてみると、なんと木造校舎が残っています。
民間企業が再利用されているのか、管理も行き届いた感じです。
ちょうど出かけられるところに出くわし、敷地に入っていいかたずねると、入場制限は特にされていないとのこと。
耳川沿いは何度か通ったことがありましたが、まさかこんな近くに貴重な木造校舎が隠れているとは、全く気づきませんでした。
昭和時代の学校が、そのまま現代にタイムスリップしたような、最高のロケーションが楽しめます。
令和4年台風14号
2022年9月の、令和4年台風14号により、耳川流域は大増水に見舞われています。
見える範囲は復旧していますが、川沿いを見るとその痕跡がまだ残っています。
おそらく、山中は手つかずでしょう。
災害復旧に際し、運動場は一時的な土砂置き場として使われていました。
本来の運動場の上には土砂が積まれ、嵩が上がっていますが、端々に運動場らしさが残っています。
校舎から一番離れた運動場の隅にプールが見えます。
沿革
1894年(明治27年) | 西郷村立柳之迫尋常小学校として創立 |
1938年(昭和13年) | 西郷村立第二尋常小学校へ改称 |
1940年(昭和15年) | 西郷村立小八重尋常小学校へ改称 |
1941年 (昭和16年) | 西郷村立小八重国民学校へ改称 |
1947年 (昭和22年) | 西郷村立小八重小学校へ改称 |
2006年 (平成18年) | 美郷町立小八重小学校へ改称 |
2008年 (平成20年) | 美郷町立田代小学校へ統合し閉校 |
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