西郷(さいごう)ダムは、宮崎県東臼杵郡美郷町にあるダムです。
福島県にも同名の西郷ダムがありますが、読み方は「にしごう」です。
![西郷ダム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
この記事は、宮崎県の西郷(さいごう)ダムについて書いています。
観光地としての西郷ダム
ダムの下流に、ダム見学のための「西郷ダム広場」があります。
そこにあるのは「永遠(とわ)の鐘」です。
![永遠(とわ)の鐘](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
ダムをよく見ると、中央のローラーゲートの上の方に鐘の形のものがあります。
これは、クレーンカバーを鐘の形の装飾したもので、本当の鐘ではありません。
![西郷ダムのクレーンカバー](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
そして、ダムと重なるようにかかる橋を「永遠の橋」といいます。
国道327号線、奥日向路を走る際には、目に留まるスポットです。
![永遠の橋の橋票](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
クレーンカバーを鐘の形にしたのは、宮崎県北の3つの鐘にちなんでいます。
![宮崎県北の3つの鐘](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
- 出合いの鐘 ・・・ 延岡市 愛宕山
- クルスの鐘 ・・・ 日向市 日向岬
- 絆の鐘 ・・・ 三郷町 恋人の丘
![西郷ダム広場ベンチ](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
ベンチのコンクリートは、改造前の西郷ダムから切り出したものです。
当時高価だったコンクリートを節約するため、大きな石を入れてあります。
西郷ダムの歴史
西郷ダムの竣工は、1929年(昭和4年)でした。
![完成当時の西郷ダム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
耳川水系のダムでは、最初にできたダムになります。
![下流側から見た
改造前の西郷ダム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
![側面から見た
改造前の西郷ダム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
上の写真は、改造前の西郷ダムです。
![西郷ダム 改造の経緯](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
2011年から改造工事をはじめ、2018年に竣工しています。
![西郷ダム広場](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
主な目的は、貯水池周辺の浸水リスク低減です。
![西郷ダム広場からみた西郷ダム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
ダム湖に流入する土砂を下流に流すように、ダムの一部を掘り下げ本体も改造を行いました。
![上流から見た西郷ダム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
これを、「ダムの通砂(つうさ)運用」といいます。
![西郷ダムローラーゲート](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
改造前はローラーゲートを8門装備していました。
![上流から見た西郷ダム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
改造後、ゲートは6門となりましたが、中央の2門が大型化されています。
![西郷ダムの魚道](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
魚道は今回改造する前からありました。
耳川水系のダム
耳川水系には8つのダムがあります。
どれも個性の強いダムなのが特徴です。
![西郷調整池](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
旅行会社が、耳川水系ダムのバスツアーを企画しています。
竣工順にならべます。
西郷ダム さいごう
1929年(昭和4年)竣工
日本初の通砂運用のための改造。
クレーンカバーが鐘の形状。
![永遠の橋](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
山須原ダム やますばる
1932年(昭和7年)竣工。
のちに、諸塚ダムを上部池とした、九州初の揚水式発電をすることになりました。
西郷ダム同様、通砂運用のため改造中。
![山須原ダムの改造工事](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
塚原ダム つかばる
1938年(昭和13年)竣工。
竣工当時は東洋一のダムだった。
歴史的土木遺産といわれる、近代化産業遺産。
岩屋戸ダム いわやど
1942年(昭和17年)竣工。
塚原ダムを参考にしたダム。
竣工時期が戦時中なのが珍しい。
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上椎葉ダム かみしいば
1955年(昭和30年)竣工。
日本初の大型アーチ式ダム。
大内原ダム おおうちばる
1956年(昭和31年)竣工。
九州初のダム式発電ダム。
(取水式ではなくダム直下に発電所を置く方式)
![大内原ダム](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
諸塚ダム もろつか
1961年(昭和36年)竣工。
九州唯一の中空重力式ダム。
同形式のダムは全国でも13基しかない。
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宮の元ダム みやのもと
1961年(昭和36年)竣工。
堤高18m。
アーチ式ダムでは日本最小。
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諸元
名称 | 西郷ダム |
場所 | 宮崎県東臼杵郡美郷町西郷小原字赤木 |
水系 | 耳川 |
河川 | 耳川 |
型式 | 重力式コンクリート |
事業者 | 九州電力 |
施行者 | 当初 鉄道工業 改造 熊谷組・飛鳥建設・志多組 |
ダム湖 | 西郷調整池 |
目的 | 発電 |
最高出力 (発電) | 27,100kw |
堤高 | 20.0m |
堤頂長 | 84.5m |
堤体積 | 13千㎥ |
流域面積 | 647.8㎢ |
湛水面積 | 40ha |
総貯水容量 | 1,651千㎥ |
有効貯水容量 | 1,128千㎥ |
着手/竣工 | 当初 1920/1929 改造 2011/2018 |