塚原(つかばる)ダムは、宮崎県東臼杵郡諸塚村大字七ツ山にある、九州電力のダムです。
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戦前のダム
塚原ダム本体の着工は、1935年(昭和10年)にさかのぼります。
竣工は、1938年(昭和13年)です。
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戦前のダムとあなどるなかれ、当時の先端技術を集めたダムです。
というのも、堤高87.0mというのは、竣工当時は日本で最も高いダムだったのです。
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その高さは、日本だけではなく、東洋一といわれていました。
近代化施工の試み
塚原ダムが注目を集めたのは、高さだけではありません。
当時の土木技術の粋を集めた、最先端の施工技術をもって建設されています。
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まず、日本ではじめて、硬練りコンクリートを使用しています。
硬練りコンクリートというのは、セメントに対する水の比率を減らして作ります。
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普通のコンクリートより硬い状態で練るわけです。
そうすることで、コンクリートの強度を高める製法です。
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ダム建設に、可動式クレーンを採用したのも塚原ダムが初めてでした。
日本初の近代的な機械化施工がなされたダムでした。
近代化産業遺産
塚原ダムにおける、近代的な工法は、国際的な基準で見ても最新技術で施工されたものでした。
これは、歴史的土木遺産として、後々まで評価されることになります。
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2004年(平成16年)、国の登録有形文化財に指定されています。
特徴的デザイン
水量豊富な耳川のダムです。
クレストラジアルゲートは8門が並びます。
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堤頂部の欄干(らんかん)のデザインが特徴的です。
西洋の中世城とか、中国の万里の長城をイメージさせます。
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クレストラジアルゲート端の、構造物も、最頂部に同じデザインが施されています。
まさに、城みたいになっています。
ギャラリー
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ダムの管理所は左岸にあります。
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左岸は諸塚村です。
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右岸は美郷町になります。
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ダム湖は、特に愛称はないようです。
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堤頂部は、通常通行できません。
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建設時のプラントが、そのまま残されています。
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中央2門から放流中でした。
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下流側のバス停は「古園円堤前」となっていました。
諸元
名称 | 塚原(つかばる)ダム |
場所 | 宮崎県東臼杵郡諸塚村大字七ツ山 |
水系 | 耳川 |
河川 | 耳川 |
型式 | 重力式コンクリート |
事業者 | 九州電力 |
施行者 | 間組 |
ダム湖 | 塚原貯水池 |
目的 | 発電 |
最高出力 (発電) | 63,090kw |
堤高 | 87.0m |
堤頂長 | 215.0m |
堤体積 | 363千㎥ |
流域面積 | 430.7㎢ |
湛水面積 | 122ha |
総貯水容量 | 34,326千㎥ |
有効貯水容量 | 19,555千㎥ |
着手/竣工 | 1920/1938 |
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