小一領神社は、熊本県上益城郡山都町にある神社です。
かつての戦国大名、阿蘇氏にルーツを持つ、恋愛成就スポットです。
阿蘇友仲公による創建
1018年、阿蘇友仲公により阿蘇神社の末社として創建されたと伝わります。
創建当初、社の横に大きな柳の木があったため、柳本大明神と称しました。
阿蘇氏は肥後国の氏族で、阿蘇神社の大宮司です。
その名の通り、阿蘇にルーツを持ちますが、最盛期の本拠地は矢部郷となります。
阿蘇惟豊公による改名
戦国時代、阿蘇惟豊公は、矢部を本拠地とした阿蘇氏の当主でした。
1536年、御船城城主、御船房行の謀反に対し出陣を決めます。
柳本大明神で戦勝祈願をし、境内の出陣式で士気を高めました。
このとき、小型の鎧一領を奉納しています。
敵将、御船房之を討ち取り凱旋すると、戦勝は柳本大明神のご加護の賜物と考えます。
社殿を造営し、社領八十町を寄付したうえ、社号を小一領神社と改めました。
加藤清正公による再興
1585年、島津氏の三州統一により、阿蘇氏は領主としての地位はなくなります。
しかし、阿蘇神社大宮司としての地位を継承することになります。
1588年、キリシタン大名である小西行長の所領時代に、神社仏閣が焼き払われています。
小一領神社も同様に、社殿を失っています。
1600年には、加藤清正が肥後国領主となります。
1621年に、小一領神社は現在地で再興しています。
恋愛成就祈願 恋一路神社
小一領(こいちりょう)という響きが、「恋一路(こいいちろ)」を連想させます。
現在は、小一領神社は恋愛成就の祈願スポットとなっています。
境内にある5個のハートをみつけると、縁結び、良縁に恵まれるといいます。
神殿の彫刻を見ながら社殿を一周し、恋愛成就を祈願します。
さらに、絵馬に願いを書き、恋愛成就お守りを身近に置くと効果が高まります。
ご祭神
小一領神社のご祭神は3柱となります。
- 健磐龍命(たけいわたつのみこと)
- 阿蘇津媛命(あそつひめのみこと)
- 國造速甕玉命(くにのみやつこはやみかたものみこと)
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