郡山八幡神社は、鹿児島県伊佐市にある神社です。
「けちんぼ座主が焼酎も飲ません」という、焼酎落書きで有名です。
とても古い本殿
1194年、当時の領主である菱刈重妙が、宇佐八幡宮を勧請したものです。
現在残る本殿は、葺板の墨書から、なんと1507年より前に建てられたことがわかっています。
とても古く室町及び桃山形式の技法に、琉球建築の影響を受けており、珍しい建築物といわれています。
そのため、国の重要文化財に指定されています。
焼酎神社
郡山八幡神社の本殿は、1954年(昭和29年)に大掛かりな復元修理が行われています。
このとき見つかった木片から、1559年にも修理が行われたことがわかりました。
驚くべきは、この木片に書かれた宮大工の落書きでした。
「工事の時、施主がとてもけちで、一度も焼酎をくれなかったので、とてもがっかりした」
もちろん、落書きは当時の言葉で書かれており、意訳してあります。
大工さんが、焼酎を振舞ってくれなかったことに腹を立て残した落書きなのです。
よく考えてみれば、神社内に落書きをこっそり残す罰当たりな大工さんです。
しかし、これが世界最古の、焼酎が飲まれていたことを裏付ける資料となったのでした。
このことから郡山八幡神社は、別名「焼酎神社」とよばれています。
ご祭神・ご利益
神功皇后
郡山八幡神社では、八幡三神のうち神功皇后を主祭神としています。
八幡三神である仲哀天皇の皇后であり、応神天皇の母君となります。
神功皇后は、新羅(現在の韓国)征伐の際には、妊娠したまま出兵し、帰国後応神天皇を出産しています。
武運の神さまであると同時に、安産の神さまです。
仁王像
鳥居横に据わるのは、仁王像です。
神社の参道にある仁王像は、神仏習合の名残です。
郡山八幡神社の仁王像は、1721年に造られていることがわかっています。
実は、明治初期の神仏分離と廃仏毀釈によって、羽月川の川底に投げ込まれていました。
のちに引き上げられ、再び据えられています。
どういう訳か、当初とは阿吽(左右)逆に置かれています。
関連記事
【関連記事】曽木の滝公園 伊佐市の一大観光地で、文筆の神様を発見
【関連記事】マロンマロン大口 クレープの自動販売機を伊佐市で発見
【関連記事】大隅国・薩摩国神名帳令和版 鹿児島県の神社一覧表