ご祭神は住吉三神、底筒男命、中筒男命、上筒男命となります。
地元では航海の神、交通安全の神として尊崇されてきました。
神瀬(こうのせ)という地名の由来
神瀬住吉神社は神瀬(こうのせ)という地区にあります。
806年創設で、約1,200年の歴史があります。
もともとは球磨川の支流である、川内川と球磨川の合流地点にあったといいます。
ある日、大洪水で神社ごと流出してしまいました。
後に、球磨川の瀬で夜、奇光を放つ物体がみつかりました。
それが、流出した神社のご神体だったといいます。
ご神体をまつるため、社殿を造営し奉祀したのが現在の住吉神社となっています。
神瀬という地名は、このことに由来するといわれています。
特徴
神瀬住吉神社は、航海や交通安全の神として、球磨川を行き来する藩主や船頭たちの信仰を集めた神社です。
道路や橋が整備されていない時代は、荷物は球磨川を利用し舟で運び、対岸には船で渡っていました。
灯台型の灯篭がこの表れであるといいます。
歴史
棟束には社殿の歴史が書かれています。
1264年〜1274年 | 文永年中 | 再興 |
1496年 | 明応5年 | 再興 |
1533年 | 天文2年 | 本殿造営 |
1684年 | 貞享元年 | 拝殿造営 |
1699年 | 元禄12年 | 修造 |
文化的価値
神瀬住吉神社は「球磨郡神社記」の記録からも、本殿、拝殿ともに1600年代後半ころのものとわかっています。
当初は茅葺の建物であったと推測され、のちに瓦葺きに改造されています。
刻まれた銘文から鳥居は1744年に建立されたものとみられます。
鳥居の額束の住吉神社の文字は、相良33代藩主頼之の書となります。
横幅が広い額束は特徴的なものです。
建物は当初の状態が保たれていて、細長い拝殿や覆屋に特徴があり、鳥居とともに人吉球磨の地方色を表しているといわれています。
1998年(平成10年)建造物は県の重要文化財に指定されています。
2015年(平成27年)日本遺産人吉球磨の構成文化財1番となっています。