黒島神社は、鹿児島県始良市上名にある神社です。

創建経緯からみると福岡の宗像大社の流れをくんでいます。
ご祭神

- 多祇留姫(たぎりひめ)
- 多祇津姫(たきつひめ)
- 大名持命(おおなむじのみこと)
- 応神天皇(おうじんてんのう)
- 神功皇后(じんぐうこうごう)
多祇留姫(たぎりひめ)と多祇津姫(たぎつひめ)は、宗像大社と同神です。

大名持命(おおなむじのみこと)は、 多祇留姫の配偶神です。

さらに宇佐明神がご祭神となっています。

由緒

社誌によると、708年の創建とされます。

福岡県の志賀島から、鈴木三郎政と四郎政良兄弟が、山田(姶良市の上名・下名地区)の開拓のため移り住みました。

この際に、弟の鈴木三郎政良が創建したのが黒島神社です。

宗像三女神のうち二柱を勧請したのだと考えます。

当初は山頂に社殿があり、山度に拝殿がありました。

女人禁制

創建当初より山頂の社殿に行くために、木製の橋が架けられていました。

この橋を女性が渡るのは固く禁じられていました。

ユネスコの世界遺産に登録された福岡県の沖ノ島も、女性の入島禁止となっていることで有名です。

これは、宗像大社沖津宮のご祭神、多祇津姫命(たぎつひめのみこと)が関係しているという説が有力です。

女神である多祇津姫命はとても嫉妬深く、女性が足を踏み入れると、怒ってしまうと信じられています。

黒島神社のご祭神も多祇津姫であるため、女性が社殿に入ることを禁じられていたと考えられます。

1709年に山津波に見舞われた社殿は、山腹に再建されます。

現在の黒島神社は、女人禁制ではなくなっています。

黒島神社の石橋

現在、社殿へ行くために石橋がかけられています。

これは1784年に、木製石橋からかけ替えられたものです。

アーチ橋ではなく、逆V字型に切り石を積み上げてあり、学術上も貴重な建造物です。

石橋の手前にある灯籠は、1718年に寄進されたものです。

石灯籠のほかに、石橋手前には石造物が並んでいます。

神道に仏教や庚辰信仰、地域の土着信仰が融合し、独自の発展を遂げてきた様子がうかがえます。

場所 鹿児島県姶良市上名585
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