めがね橋というは、宮崎県えびの市にある、月の木川橋の通称です。
![月の木川橋](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
木材搬出用のトロッコ軌道のために架けられています。
めがね橋ではない?
![めがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
めがね橋は三連アーチなので、めがね橋ではないといわれることもあります。
![めがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
三つ目のめがね橋という人もいます。
![めがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
中島川にかかる月の木川橋といい覚えにくいため、通称でめがね橋とよぶのが一般的です。
![めがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
トロッコ軌道
![森林鉄道飯野線跡](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
当時全国の山々では、重い木材を効率よく運ぶために、トロッコ軌道が使われました。
![森林鉄道飯野線跡](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
大平官行から飯野駅までの、総延長30kmに及ぶトロッコ軌道が、森林鉄道飯野線です。
![月の木川橋 竣工記念碑](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
月の木川橋はトロッコ軌道を通すための橋梁です。
![月の木川橋 竣工記念碑の碑文](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
大平官行は熊本県側にあるため、熊本営林局の発注です。
![月の木川橋 竣工記念碑の碑文](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
石橋というと肥後の石工をイメージしますが、月の木川橋を手掛けたのは鹿児島串木野の石工・肥田佐兵衛です。
![めがね橋(月の木川橋) 竣工記念碑](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
スペック
![めがね橋(月の木川橋) 各部の長さ](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
長さ | 58.2m |
幅 | 2.4m |
高さ | 17.2m |
竣工 | 1928年 (昭和3年) |
発注者 | 熊本営林局 |
![めがね橋(月の木川橋) 説明板](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
現在は、歩いて渡ることができますが、欄干の低さにびっくりします。
![めがね橋(月の木川橋) 橋上](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
森林軌道廃線後は、自動車も通っていたというのにさらに驚きます。
![めがね橋(月の木川橋) 橋上](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
官行造林
![めがね橋(月の木川橋) 橋脚](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
官行造林というのは、公有林または民有林に国費で造林する事業です。
![めがね橋(月の木川橋) 頂部](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
土地所有者と国で収益を折半する契約をするため、植付け後は分収林とよんだりします。
![めがね橋(月の木川橋) 橋脚](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
森林所有者は投資することなく造林ができ、国としては国策として森林形成と森林経営ができる、 今でいえば win-win な事業です。
![めがね橋(月の木川橋)の石組](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
さらに、官行造林には人手がいるため、雇用も生まれます。
![めがね橋(月の木川橋)の石組](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
通勤できない山奥が多いため、拠点には官行集落が形成されていました。
![下から見上げためがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
森林開発公団を経て、緑資源公団・緑資源機構と形を変え、現在は森林整備センターとして分収林事業は継続しています。
![下から見上げためがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
しかし、山奥に集落ができるケースは、以下のような理由からほぼなくなっています。
- 原木伐採自体が機械化され、少人数しかも短期間できるようになった
- 林道整備と自動車性能向上により、周辺の町から通勤できるようになった
![めがね橋(月の木川橋)の公園](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
大平官行
![説明板とめがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
あまり知られていませんが、川内川の水源はクルソン狭の山深く、熊本県になります。
![めがね橋(月の木川橋) 説明板](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
この地域では、かつて官行造林事業が行われています。
![めがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
大平山 (1,120m)の麓にあるため、大平官行とよばれています。
![めがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
川内川のある木面谷のほか、又五郎谷・陀来水谷・八ヶ峯川などに森林軌道の分線・支線が敷かれています。
![めがね橋(月の木川橋) 脚部の石組](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
当時、熊本県側へ行くには林道が開通しておらず、温迫峠 (925m) を歩いて越える必要がありました。
![下から見上げためがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
川内川の上流域は地理的には熊本県ですが、物理的・距離的には、宮崎県との結びつきが強い地域です。
![下から見上げためがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
林道榎田大川筋線
![大川筋林道 入口](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
森林軌道跡をたどるため、川内川沿いを少し進んでみます。
![大川筋林道](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
クルソン峡へ向かう大川筋線林道こそが、森林鉄道飯野線のトロッコ軌道跡です。
![大川筋林道の通行止め箇所](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
ほどなく、路肩崩落のため通行止めになっていました。
![林道榎田大川筋線 熊本県側起点](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
ならば、熊本県側から行こうと榎田林道を進みます。
![榎田林道](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
熊本県側は温迫峠までは舗装されています。
![アイスバーンと化した榎田林道](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
しかし、峠まであと少しというところで、氷に阻まれていました。
![温迫峠手前の林道分岐看板](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
川内川の上流域は、今なお簡単に近づける場所ではないことがわかりました。
![榎田林道と白髪岳登山道への分岐](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
飯野駅
![えびの飯野駅プラットホームの待合所](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
大平官行で伐採された木は、トロッコ軌道により飯野駅の貯木場に集められました。
![えびの飯野駅に停車中の列車](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
1912年(大正元年) 開業当時の飯野駅は宮崎線の駅でしたが、 延伸に伴い宮崎本線・日豊本線と名前を変え、1932年 (昭和7年) に吉都線となっています。
![えびの飯野駅 駅舎](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
1961年 (昭和36年) に森林軌道飯野線は廃止され、トラック輸送に変更されています。
![えびの飯野駅 駅名標](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
1990年 (平成2年) に、えびの飯野駅に改称されています。
![えびの飯野駅 駅舎内](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
![めがね橋(月の木川橋)](https://haradaoffice.biz/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
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