蓑毛観音は、相良三十三観音霊場の15番札所です。
球磨郡相良村柳瀬新村にある観音さまです。
鐘林寺
蓑毛観音堂周辺には、墓地が広がります。
かつては、鐘林寺(しょうりんじ)とよばれるお寺あったためです。
しかし、鐘林寺は古くに廃絶しています。
観音堂の周辺には、古い五輪塔の残片が散乱しています。
東林寺の天端和尚(てんずいおしょう)が再興したのが、蓑毛観音堂の由来とされています。
ご本尊
ご本尊は、室町時代に作とみられる十一面観音坐像です。
台座には1690年に補修したときの墨書銘が残されています。
16番札所の深水観音堂にあった長命寺のご本尊が、蓑毛観音堂に移されたものではないかと考えられています。
十一面観音像は、登頂に十一の化仏をもちます。
これは、あらゆる方向で苦しむ人々を、あまねく救おうとする意志を形にしたものです。
長寿、家内安全にご利益があるといわれています。
60歳の還暦を迎えた人が、長寿と家内安全を祈り、立て旗を納める習慣が残っています。
ウトんかん
蓑毛観音は、別名「ウトんかん」とよばれています。
なぜ、「ウトんかん」なのか調べてみました。
方言で「ウト」というのは聞いたことがありません。
「烏兎(うと)」という言葉は、「年月」とか「歳月」など、時間の流れという意味を含みます。
ご本尊が、長寿にご利益があるため、そうよぶのかもしれません。
カッパの里
相良村にはカッパにまつわる伝説が残っていて、川辺川にはカッパが住んでいるといわれています。
「サガラッパ」という相良村のゆるキャラはカッパがモデルです。
夏に開催される「サガラッパ祭り」というイベントがあります。
蓑毛観音堂近くの川辺川河川敷が会場となっています。
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