宮原(みやはら)というのは宮原観音堂があるあたりの地名です。
このあたりは、あさぎり町となる前は岡原村(おかはるむら)といっていました。
岡原村は1889年(明治22年)、宮原村と岡本村が合併してできた村です。
宮原観音堂も一時期は岡原観音堂とよんでいました。
1997年(平成9年)に本来の宮原観音堂というよび方にし、文化財の登録も宮原観音堂に変更されています。
宮原観音堂
本堂は安土桃山時代に建てられたものと推定されています。
創建時の姿が後世の改変によって損なわれたとされていましたが、1994年(平成6年)に修復工事が終わり、桃山様式の姿を取り戻しています。
堂内にある厨子は室町時代の作といわれます。
龍泉寺という別当寺があったあたりにあり、観音堂は龍泉寺のお堂ではないかといわれます。
別当寺というのは、神仏習合が行われていた時代に、神社の管理もしていたお寺のことです。
1962年(昭和37年)、観音堂は安置されている厨子とともに、熊本県の重要文化財として指定されました。
ご本尊
ご本尊は、聖観音像となります。
こちらは江戸時代の作品です。
不動明王と毘沙門天像が脇士として安置されます。
観音さまは、旧暦の7月9日の祭りと、春秋の彼岸にご開帳されます。
子授け、安産にご利益があるといわれています。
相良三十三観音霊場の29番札所となっています。
相良三十三観音廻りがはじまったのは江戸時代初期のことです。
日本遺産人吉球磨の構成文化財38番となっています。
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