南薩競馬場というのは、かつて鹿児島県川辺郡勝目村(現在の南九州市)にあった競馬場です。
80年も前に廃止されていますが、 現在も馬場の跡を確認できます。
スペック
全長 | 1周 1,000km |
周回 | 右回り |
馬場 | ダート |
傾斜 | ほぼ平坦 |
主催 | 川辺郡馬匹畜産組合 (のちに鹿児島県馬匹組合連合会) |
競馬は毎年、春と秋に年2回行われる、いわゆる祭典競馬でした。
川辺郡はもとより、南薩地方一円から人が集まり大盛況だったといわれています。
戦前に廃止
南薩競馬場は、地元の方が土地を提供して、 できあがった地方競馬場です。
ただし、競馬場があったといっても大昔の話です。
1931年 (昭和6年) | 開設 |
1938年 (昭和13年) | 最終開催 |
1939年 (昭和14年) | 廃止 |
戦後の1946年(昭和21年)には、ヤミ競馬が行われていたという話もききます。
現在の南薩競馬場跡
南薩競馬場の跡は畑になっています。
航空写真で見ると、 馬場の跡が残っています。
廃止された競馬場は全国に数知れませんが、形が残っているのは希少です。
現地に行ってみると、 ただの農地にしか見えません。
しかし、周りの森林と農地の境界を見ると片鱗をうかがうことができます。
政府も補助した地方競馬
実は1906年(明治39年)施行の新刑法により、 賭博は禁止されています。
ところが軍馬改良のため競馬は存続しました。
明治政府は競馬規定を設け、 競馬場には補助金を交付していました。
1927年(昭和2年)には地方競馬規則が制定され、 公式に馬券の販売が認められています。
軍馬資源保護法
1939年(昭和14年)、軍馬資源保護法の制定で、地方競馬規則に基づく競馬は廃止されます。
前年の1938年(昭和13年)に制定された、国家総動員法の一環として、すべての人的・物的資源を政府が統制運用できるようにしたものです。
地方競馬は、軍馬保護鍛錬中央会 (のちの日本馬事会) が主催するものに限定されました。
1945年(昭和20年)の敗戦と同時に、軍馬資源保護法は廃止されています。
1946年(昭和21年)に地方競馬法が制定されるまでは、全国各地の地方競馬場ではヤミ競馬が開催されていました。
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