登立天満宮は、熊本県上天草市大矢野町にある神社です。
夏祭りでは、大宰府天満宮を彷彿とさせる、ウソ替え神事が行われています。
駐車場
周辺は市街地となっていて、参拝用に駐車場が用意されているわけでもありません。
鳥居横の路地を奥に進めば、道は狭いですが社殿の横を通り、境内に入ることができます。
社殿前まで、車を入れさせてもらいました。
鳥居
一旦石段を下りて、参道入口の鳥居を見てみます。
一の鳥居をくぐると、神域が広がります。
それもそのはず、1656年までは石段の下に社殿がありました。
二の鳥居との間に、古い狛犬や灯籠が並んでいます。
狛犬は、南九州ではあまり見たことのない姿をしています。
船つなぎの木
鳥居の横の木には、舟つなぎの木と書かれた標柱が立てられています。
昔はこの辺まで海であり、大矢野島と本土を結ぶ交通の拠点でした。
来航した船を係留していた木であったため、舟つなぎの木と名付けられています。
このあたりが市街地となっているのは、かつて交通の要衝として栄えたためです。
神門
二の鳥居の先が石段です。
石段の先に神門が見えています。
神門をくぐると、広い境内が広がります。
社殿の前が広場になっていて、奥に社殿が構えます。
左が手水舎で、右が今通った神門です。
社殿
大矢野島の郷社にふさわしい、大きな社殿です。
こちらが拝殿です。
そして本殿です。
御神牛
天満宮のお神使いは牛です。
しかも、臥牛(ふせうし)といって、横たわった姿をしています。
道真公のご遺骸を運ぶさい、車を運ぶ牛が座り込んで動かなくなった故事にちなんでいます。
社殿の周囲には、歴代の奉納された御神牛(ごしんぎゅう)が横たわります。
ご祭神
菅原道真公
いわずと知れた学問の神さまです。
ウソ替え神事
ウソ(鷽)というのは鳥の名前です。
登立天満宮では、毎年7月24日に開催される夏まつりで、「鷽替(うそかえ)」が行われます。
参加者は台座に番号が書いてある、木鷽を買います。
「替えましょう」の合言葉とともに、お互いの持つ木鷽を交換します。
最後に持っていた木鷽の番号で抽選が行われ、豪華景品が当たるというものです。
道真公が大宰府にいたとき、熊バチに襲われました。
このときウソが現われて、ハチを追い払ったという故事にちなむものです。
以来、天満宮の使いの鳥といわれています。
ウソ替えは、鷽が嘘に通じることから、前年に起きた災厄をウソとし、本年が吉となることを願っています。
登立天満宮の木鷽は、地元の大工さんが造っています。
太宰府木うそ保存会 登立天満宮の木ウソ
ひとつひとつに、微妙な個体差があるのが特徴です。
関連記事
【関連記事】住吉神社(宇土市) 住吉自然公園の肥後三大社と日本最古の住吉灯台
【関連記事】肥後国神名帳令和版 熊本の神社を一覧表にしてわかったこと