創設年代はよくわかっていませんが、一説によると807年創建となっています。
霧島神宮を歓請したといわれています。
地元の人は「おいかみさん」とよんでいます。
相良家代々の産土神
人吉城のお堀のすぐ外側にあります。
お堀といっても球磨川と胸川ですから天然のお堀です。
球磨川と胸川の合流点近くに老神神社はあります。
老神神社のある場所は、以前は球磨川沿いの山深いところでした。
その中にあった小さな祠が老神神社であったといいます。
人吉城の玄関口にあったためでしょうか、相良氏一族が古くから産官としてきた神社です。
江戸時代の初めに山を開き、平たん地に造成したあと、社殿が再興されました。
文化的価値
現在の本殿は1628年、人吉藩主、相良長頼とその子頼尚によって建てられています。
藩主の産官として造営されたため、漆塗り、彩色を施した豪華な造りです。
羽目板等の細部まで地方特有の意匠が見られるといいます。
人吉球磨地方を代表する江戸時代前期の神社建築として評価されています。
本殿は球磨地方には珍しい入母屋造りとなっています。
八角形の燈龍
参道の真ん中に建てられた八角形の石燈籠は、基礎から笠まですべて八角形となっています。
人吉球磨地方の神社の燈籠は、参道をはさんで一対で建てられています。
参道の真ん中に一つだけ建てられた燈籠は、京都、奈良に見られる燈籠の配置になります。
人吉球磨地方では老神神社でしか見ることができません。
形状も人吉球磨地方の燈籠は四角形、六角形、円形のものが多くみられます。
八角形の燈籠は、人吉球磨地方では老神神社と青井神社でしか見られません。
青井神社は江戸時代の中期になると、神仏習合の信仰から神道信仰形式に改められました。
その際、京都の吉田神道と関係の深い八角形の形状を用いたものと考えられています。
老神神社の燈籠も、江戸時代中期(1750年)に建てられたものです。
ご祭神
パワースポットとして有名な 霧島神宮 を 歓請 した神社であり、本社と同じ赤い鳥居が印象的です。
ご祭神も 霧島神宮 と同じ六神になります。
- 瓊々杵尊 (ににぎのみこと)
- 木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)
- 彦火火出見尊 (ひこほほでみのみこと)
- 豊玉姫命(とよたまひめのみこと)
- 火須瀬理命(ほすせりのみこと)
- 火照命(ほりでのみこと)
相良氏一族ため、境内には老神神社のほか四社が鎮座します。
菅原神社
ご祭神は菅原道真公です。
学問の神様、天満宮、「てんじんさん」です。
弁財天社
ご祭神は市杵嶋姫命(いちきしまひめ)
芸能の神様、人吉球磨では珍しい「べんてんさん」です。
稲荷神社
主祭神は宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)はじめ五神です。
本社は京都の伏見稲荷大社になります。
商売繁盛の神様、「おいなりさん」です。
淡島神社
ご祭神は少彦名神(かくなひこのかみ)です。
紀伊国(現在の和歌山県)の淡島のご分霊が祀られています。
健康の神様です。また酒造の神様でもあります。
老神淡島神社は、特にご婦人の病気にご利益があるそうです。
人吉城大手門
老神神社のそばを流れる胸川の対岸に人吉城がありました。
球磨川(大橋)の方向ではなく、支流の胸川の方です。念のため。
こちら側は人吉城の正面入り口であった大手門側になります。
道沿いに城を眺めると、川越しに大手塀、大手多門櫓、角櫓をながめることができます。
人吉城大手門
場所 熊本県人吉市新町
まとめ
老神神社は、相良氏が氏神として篤く保護した神社です。
青井阿蘇神社ほど規模は大きくなく、派手さもありませんが、大手門のながめと一緒に見ておいて損はないと思います。
1962年(昭和37年)、建造物は県の重要文化財として指定されました。
1990年(平成2年)、国の重要文化財として指定されています。
2015年(平成27年)日本遺産人吉球磨の構成文化財9番となっています。
老神神社
場所 熊本県人吉市老神町949
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