尾股(おまた)小中学校は、かつて宮崎県児湯郡西米良村にあった村立学校です。
国道265号線
西米良村の中心部村所から、尾股へ行くには、国道265号線を通る、1ルートだけしかありません。
尾股集落は、峠の向こう側です。
国道265号線といえば、九州山地を縦断しています。
西米良村から、小林市までが特に酷道として有名です。
小林市須木の輝嶺峠(きれいとうげ)を越す区間は、もう何ヶ月も全面通行止めの状態が続いています。
この区間の設計速度は20㎞/hです。
これ以上スピードを出すと、事故の確率が上がります。
尾股峠を越すと、携帯電話も圏外になります。
公衆電話もありません。
自走できなくなると、ひたすら、他の車が通るのを待つしかありません。
もし、車が通らなかったら、一晩その場で過ごす覚悟がいります。
この区間で、対向車が来ないと思い込むのも危険です。
落石や倒木は、通れないと思ったら、車から降りて除去します。
尾股集落
尾股峠からは、九州山地が眺められます。
中央の山は市房山(1,721m)です。 右端のピークは石堂山(1,547m)です。
尾股峠自体は、標高763mです。
峠を下ってい行くと、国道沿いに住居があります。
しかし、すでに集落には、人は住んでいません。
校内
学校へは左側の橋を渡っていきます。
右側の、離合場所へ駐車しました。
この離合場所には、大穴が開いています。
車を落とさないように、注意が必要です。
学校へは、この橋以外のルートはありません。
出迎えてくれた、校門前のオブジェです。
なんとか入れそうです。
校門です。
いい感じの木造校舎です。
もはや、何を書いてあるか読み取れません。
推測ですが、「村有資産なので立ち入るな」ということを書いてあるのだと思います。
立入るなもなにも、入り口は全開のようです。
閉校後、長い年月が経っているのでしょう。
校舎は経年劣化が見られますが、校庭は手入れされてます。
雑草が伸びていません。
廃墟にありがちな、人為的な荒らされ方は、あまりないようです。
永年に間に、風雨にさらされて、こうなったという感じです。
廊下も同じです。
人為的な荒らしや、落書きはありませんでした。
校庭は、草刈りしてなかったら、やぶになっていると思います。
このあたりも、片づけられている感じがします。
トイレもきれいです。
やっぱり、管理されているというか、手入れをしてくださる方がいるようです。
そして、意外と各地からちょこちょこと、訪れる方がいるのに驚きです。
訪れる方も、マナーを守っているのかもしれません。
いつまでも尾股小中学校が、残されていることを願います。
沿革
1942年(昭和17年) | 村所国民学校尾股分校として創立 |
1947年(昭和22年) | 西米良村立村所小学校尾股分校へ改称 |
1948年(昭和23年) | 西米良村立西米良中学校尾股分校創立 村所小学校尾股分校と併設 |
1961年(昭和36年) | 村所小学校、西米良中学校より独立 尾股小中学校となる |
1978年(昭和53年) | 尾股小学校を村所小学校へ統合 尾股中学校を西米良中学校へ統合し閉校 |
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